今回は、囲碁の大事な基本手筋について解説します。
基本的な手筋を知るだけで、対局の時にどのように打てば良いのかが分かってきますし、考え方が分かると安心です。
反対に、基本手筋を知らないと指針が立たなくなり「どこに打ったら良いのかが分からない」という状況になりがちです。
この記事では、入門・初心者の方のために「最初に学んでおいた方が良い手筋」をまとめました。
- 手筋とは何か?
- どんな手筋を学べば良いのか?
- 連絡の基本手筋
- 石を取る基本手筋
上記の内容を非常に詳しく学ぶことができます。
関連記事を含めて長い記事になりますが「目次」がありますので、辞典のようにお使いください。
全部を一気に見ようとすると大変なので、是非気になる手筋の記事をチェックしていってくださいね。
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手筋(てすじ)とは?
手筋とは「石のつながりに関連するテクニック」です。
- 味方の石同士が盤上の線を通じて、どのように連携を取っているのか?
- 相手の石の連携を、どのようにして断つのか?
これらが手筋の根本的な考え方です。
反対に、つながりの悪い石同士を「筋違い(すじちがい)」と言ったりします。
「筋違い」からお話しした方が分かりやすいかと思うので、順に解説していきますね。
「手筋」ではない「筋違い」
さっそく、例を見ていきましょう。
黒Aと黒Bは「ハザマ」と呼ばれる筋違いの代表のような形です。
この形は、
このように、縦の線でも横の線でも、一本間があいてしまっているのです。
つまり、つながっていないのですね。
白1と打たれると、黒Aと黒Bは切り離されてしまいます。
このあとの展開は一例ですが、
黒2、4と打ってつながろうとしても、白3、5とジャマされて、黒Aと黒Bをつなげる事ができません。
こういう状況を招いてしまうのが「筋違い」なのです。
是非、碁盤に並べて確認してみて下さい。
そして、筋違いとは反対に、味方の石同士が盤上の線で連携を取っている状況は「筋(すじ)」だということですね。
どんな手筋を学べば良いのか?
今回の記事では、「ルールを覚えたての初心者の方」~「基礎を確認したい級位者の方」がしっかりと学べるように「基礎の中の基礎手筋」をご紹介いたします。
基本中の基本ではありますが、ここでご紹介している手筋で囲碁の技は構成されています。どんなに難しい手でも、根本を突き詰めると基本手筋に行き着くのです。
基本の手筋をおおまかに分類しますと、
・連絡の手筋
・石を取る手筋
という2種類になります。
これらをしっかりと学んでいきましょう!
①連絡の基本手筋
石と石をつなげる「連絡の基本手筋」は、
- コスミ
- 一間
- ケイマ
- 大ゲイマ
- 大々ゲイマ
この五種類です。
それぞれご紹介していきますね。
(1)基本手筋「コスミ」
コスミとは、味方の石を斜めに進める手で、とても安全な進み方です。
このように斜めに進む手を「コスミ」と言い、
AかBのどちらかのルートでつながる事ができます。
(白Aときたら、黒Bと打って連絡。白Bときたら、黒Aと打って連絡。ということです。)
進みは遅いですが、安心安全な連絡の手筋です。
(2)基本手筋「一間」
「一間」とは、まっすぐに一列あけて進む筋です。
コスミよりも早く進むことができます。
これが「一間」ですね。
こんな風に連絡していて、
白が1や1’などと近づいてきたとしても、黒2と打って、すぐにつながる事ができます。
(3)基本手筋「ケイマ」
ケイマとは、将棋の「桂馬」の駒と同じ動きで、「二つ進んで一つ曲がる」という連絡の手筋です。
これが「ケイマ」の動きで、コスミや一間よりも早く進んでいます。
こういう筋で連携を取っています。
進みは早いですが、敵が近くにいると分断されやすいので要注意です。
(4)基本手筋「大ゲイマ」
大ゲイマ(おおげいま)とは、ケイマよりもさらに早く進む手筋です。
これが「大ゲイマ」です。随分と離れていますが、
こういう筋で連携を取っているのです。
敵が周囲にいない時に、効率的な進み方です。
(5)基本手筋「大々ゲイマ」
大々ゲイマ(だいだいげいま)とは、大ゲイマからさらに一歩先へ進む手で、19路盤の布石(序盤戦)でよく使われます。
これが「大々ゲイマ」ですね。遠いので連携は薄いですが、陣地を大きく取れる可能性があります。
筋はケイマや大ゲイマと同じで、こういう二本の線で連絡しています。
※連絡の手筋に関しては、こちらの関連記事でさらに詳しく解説しています。
【囲碁の「コスミ」や「ケイマ」はなぜ良いのか?】意味が分かるとおもしろい!
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②石を取る基本手筋
相手の石を取るための基本手筋は、
- 両アタリ
- シチョウ
- オイオトシ
- ウッテガエシ
- ゲタ
この五種類です。
1つずつ見ていきましょう。
(1)基本手筋「両アタリ」
両アタリが分かると、相手の弱い断点を見つけられるようになります。
また、アタリに対して目が慣れてきて、自分の危険な場所も見つけて守れるようになります。
「両アタリ」とは?
このような図があったします。
黒番で、
黒1と打つと「両アタリ」です。
白△が両方ともアタリですね。
ここに打つ事で、どちらかの白△を取る事ができるのです。
両アタリを詳しく学ぶ: 【囲碁入門⑬】石を取る手筋「両アタリ」の基本を詳しく解説!
(2)基本手筋「シチョウ」
今度は石を取る手筋「シチョウ」について解説します。
シチョウが分かると、自分の石を分断された時に、分断してきた相手の石を正確に取れるようになります。
ここは切られてもシチョウで取れるから大丈夫。というような判断がつくようになります。
「シチョウ」とは?
このような形があったとして、黒番で、
黒1~15のように白を攻めていって、丸ごと取ってしまう手筋が「シチョウ」です。
シチョウを詳しく学ぶ: 【囲碁入門⑭】石を取る手筋「シチョウ」の基本を詳しく解説!
(3)基本手筋「オイオトシ」
次は、囲碁の手筋「オイオトシ」という石の取り方です。
オイオトシが分かると、良いアタリと悪いアタリが分かってきます。アタリをして、相手が逃げた後のことを自然と想像できるようになります。
「オイオトシ」とは?
このような形があったとして、黒番で、
黒1~3が「オイオトシ」という石の取り方です。
白を追って最後は落とすというイメージの手筋ですね。
オイオトシを詳しく学ぶ: 【囲碁入門⑮】石を取る手筋「オイオトシ」の基本を詳しく解説!
(4)基本手筋「ウッテガエシ」
ウッテガエシが分かると、石を捨てることがこわくなくなってきます。
相手に取らせることで、本来の目的を達成する、という囲碁のとても面白い話です。
「ウッテガエシ」とは?
このような形で黒番で、白△の二子を取りたいと思います。
どのように打つのかというと…
黒1と打ちます。
次の白番で、白2と打たれると黒1は取られてしまいますが、
このような形になります。
よくよく見ると、白三子がアタリになっていますね。
黒1は取られてしまいましたが、
黒3と打って、最終的に白△を取る事ができます。
これが「ウッテガエシ」という手筋です。
ウッテガエシを詳しく学ぶ: 【囲碁入門⑯】石を取る手筋「ウッテガエシ」の基本を詳しく解説!
(5)基本手筋「ゲタ」
最後は、石を取る手筋「ゲタ」についてです。
ゲタが分かると、シチョウで取れない時にも効率よく石を取れるようになります。
「ゲタ」とは?
このような形があったとして、黒番で白△を取るために、
黒1が良い手で、白△を囲んで取る事ができます。
黒1が「ゲタ」という手筋です。
ゲタを詳しく学ぶ: 【囲碁入門⑰】石を取る手筋「ゲタ」の基本を詳しく解説!
まとめ
最後にまとめますね。
- コスミ
- 一間
- ケイマ
- 大ゲイマ
- 大々ゲイマ
- 両アタリ
- シチョウ
- オイオトシ
- ウッテガエシ
- ゲタ
以上が、囲碁の基本的な手筋です。
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実戦で非常に大事な単元ですので、ゆっくりと繰り返し学んでいってくださいね。
そして、「手筋」というものの全体像が何となく分かってきたら、下の記事で具体的な囲碁の打ち方について学んでいきましょう!
【囲碁9路盤の打ち方】初心者の方必見!一局の流れを詳しく解説
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