囲碁の基本手筋である「オイオトシ」について詳しく解説していきます。
目次
「オイオトシ」の基本
まずは、「オイオトシ」とはどのような手筋なのかを見ていきましょう。
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-1.png)
こんな状態で黒の番だったとします。
うまくやると白を取ることができるのですが
どのように打つと良いでしょうか?
まずは、
上の図で取れそうな白石に目星をつけてみましょう。
どの白が取りやすそうですか?
取りやすい石というのは
石から出ている道が少ない石です。
そう考えると
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この△印をつけた白石です。
逃げ道が二つしかありませんね。
この白を狙って、黒の打つ手を考えてみましょう。
白の逃げ道は二つなので
白を取ろうと思ったら、そのどちらかです。
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-3.png)
黒1。
このように打つと、白△が「アタリ」です。
では、今度は白の立場に立って
この白を取らせないように頑張るには、どう打つでしょうか?
というと
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白2ですよね。
黒にこの場所に打たれたら取られてしまいますから、
打たれないように先着します。
そして、この白△は右側の白石たちと合流しました。
次に黒番ですが、白を取ることはできませんね?
と、いうことですので
黒1が間違いだったのです。
正解は
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黒1◎
こちらからアタリします。
それで、白が白△を助けるならば
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-6.png)
白2ですね。
では、次に黒番です。
どこでしょう??
よーく見て下さい。
白を、
取れます。
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-7.png)
黒3で白△の三子を丸ごと取ることができます。
白三子からは、もう道が出ていないことを確認しましょう。
このように、
相手をアタリして
相手が逃げて
でも、まだ相手がアタリになっていて取れる。
というのが「オイオトシ」という石の取り方です。
名前を覚えるというよりかは、
「アタリできる所を探す」
ということが大切ですね。
慣れてくると、パッと見てわかるようになりますよ。
着手禁止点の話
さて、今回はもう少しオイオトシの練習をしていくのですが
その前に一つルールの話をします。
上の図の黒3を見て、「ん?いいの?」
と思いませんでしたか?
良く見たら、
黒3の石だって白に囲まれて道がないですよね。
ルール上良いのか?という話です。
結論から言いますと、
「相手の石を取れるときは、道のないところに打って、相手を取ってOK」
「相手の石を取れないのに、道のないところには打てない」
です。
基本的には、
「打った石から道がないところには置けません。」
そこ置いたらもう取られちゃってるよ、という場所は着手禁止点になります。
正式な大会とかですと、一応、反則負けになってしまいます。
ただ、普段友達と打っている分には、
「そこは打てないよ」と言って別のところに打ってもらえば良いだけなので
対局中「着手禁止点に打っちゃったらどうしよう」と怯えなくて大丈夫です。
結局、石から道がどれくらい出ているかなぁ、と良く見ることが大切ですね。
それで、具体的には
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黒1。
これは
打てますか?打てませんか?
答えは
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-10.png)
打てませんね。
黒1からは道が一本も出ていません。
白に全方向を塞がれてしまっています。
そして、もう一つ確認事項。
白石を取れる、というわけでもありませんね。
だから、上の図の黒1は着手禁止点、打ってはいけない場所だということになります。
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例外として、この図のように
白石を取れる場合は(白三子を取れていますね)
黒1と打って良く、
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このような状況になります◎
OKでしょうか。
【囲碁入門⑥】着手禁止点とは?囲まれているところには打てない!
では、オイオトシの話に戻りましょう!
「オイオトシ」の練習問題①
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-13.png)
こんな状態で黒番です。
白を「オイオトシ」にして取ってみましょう。
まずは、全体をみて
逃げ道の少ない白石を探します。
そして、
その白をアタリするように打つのがポイントです。
上の図を見て考えて下さいね。
決まりましたか?
答えいきますよ。
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黒1◎
白△がアタリです。
合ってましたか?
そして、白が△を助けようと
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-15.png)
白2とつないでも
丸ごとアタリですね?
次に黒番で
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-16.png)
黒3と打って、白△を取れています◎
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-17.png)
こうなります。
白をアタリして→相手が逃げて→それでも相手がアタリになっていて→取れる
という流れでした。オイオトシですね。
ではもう一問
「オイオトシ」の練習問題②
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この状態で黒番です。
どう打てば良いでしょう?
取れそうな、道の少ない白を探して
アタリする。
その時に
着手禁止点に打とうとしていないか要チェックです。
考えましたか?
いきますね。
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-19.png)
黒1
…
これはまずいですね。
黒石から道がありません。
そして、白を取れるというわけでもないので
打てない場所です。
今度こそ答えいきます。
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-20.png)
黒1◎
ここに打つと白△がアタリです!
こんなに石がたくさんあっても、白石から出ている道は少ないのですね。
白は取られたくないですから
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-21.png)
白2とつなぎます
が、しかし…
よく見たら
丸ごとアタリになっています。
OKですか?
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-22.png)
黒3と打って、白△を取ることができました◎
黒3からは道が出ていませんが
白を取れるので、打って取ってOK!
![囲碁解説画像](http://www.s-yosuke.com/igomember/myfiles/image/%E5%85%A5%E9%96%80%E2%91%A7/%E5%85%A5%E9%96%808-23.png)
こういう状況になります。
どうでしたか?
「打てない場所がある」というルールの話と
「オイオトシ」という石の取り方の話でした。
次は「ウッテガエシ」という手筋を学んでいきましょう。
【囲碁入門⑯】石を取る手筋「ウッテガエシ」の基本を詳しく解説!
基本手筋の全体像は下をクリック: