囲碁を始めたての初心者さん向けに「9路盤の打ち方」について詳しく解説します。
一局の流れを一通り解説しますので、打ち方やコツがよく分かります。
序盤(布石)~終局までを、基本を確認しながら見ていきましょう!
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囲碁9路盤の打ち方
ルールを覚えたあとは、「実際にどうやって打っていくのか?」ということを見て、碁盤に並べていくことが上達のコツです。
ルールを知りたい方はこちら: 【囲碁入門①】難しいルールを簡単に解説!初心者向けに4つのルールをまとめた
ではさっそく、9路盤での一局の流れを見ていきましょう。
【9路盤の打ち方】~布石(序盤)~
囲碁の布石は、黒と白の勢力の骨格作りです。
どのように布陣を組むかで、その一局の雰囲気や展開が変わってくるところがおもしろいです。
今回は、もっとも基礎的は打ち進め方を見ていきましょう。
布石の基本は「隅」と「辺」を占めること
まずは隅から打っていきます。隅の方が効率よく陣地を作れるからですね。
隅は少ない石数で陣地を作ることができるのです。
そして、
イメージはこんな感じです。隅の空間を囲っていますね。
これも大体で良いのですが、布石では、碁盤の端から数えて「3番目の線」か「4番目の線」の場所に打っていくのが、効率が良いとされています。
碁盤の端から数えて3番目の線⇒「三線」
碁盤の端から数えて4番目の線⇒「四線」
という風に表現します。
碁盤の端が「一線」
赤い線が「二線」
青い線が「三線」
緑の線が「四線」
という具合です。この中でも三線と四線が良い陣地を作りやすいのです。
ということですので、白も同じように別の隅を占めます。
色々な打ち方がありますが、最初は隅を打っていくと安心です。
同じ考えで、黒3、白4ですね。
お互いにこのように隅を打つことで、
一体感が出てきました。右辺が黒模様で、左辺が白模様です。
このあとは、黒模様と白模様の境目を打っていくのがコツです。
例えば黒5ですね。
このように、隅と隅の間のエリアを「辺」と言います。
この手は、味方の石から「一間トビ」で連絡しながら、赤丸の場所を新たに黒の陣地にしました。
下辺に黒地が増えたのです◎
また、左辺の白に接近して、白地の拡大をけん制しています。
白も、黒が少し近づいてきたので、白模様を補強しつつ拡大です。
白6はこんな風に「ケイマ」と「ケイマ」で連携を取りながら、左辺の陣地を囲んでいますね。
さて、次の黒番で、左辺の白地に対して少し攻撃してみたいと思います。
敵と味方が接触したら、近くに打って応戦
例えば、黒7です。
この手は、味方の石から斜めに進んでいて(コスミ)、次に白地に入ろうとしています。
黒△からコスミでつながっていて、白地へ向かって進んでいます。
このあと黒○に打ちたいのです。
このようになると、左辺はもう白の陣地とは言えなくなってきますね。
なので、白も8がとても大切な守りになります。
このように、敵が接近してきたら、敵の進みたい方向を止めるイメージで近場に打つことがコツになります。
白8と打つことで、左辺の白地を守っていますね。
また、見方を変えると、次に白は右辺の黒模様に対して、進もうともしています。
なので、そう思った黒は…
黒9と止めて、右辺の黒地を守ります。
白の進行してきそうな道を止めることで、大きく黒の陣地を囲うことができます。
このように「境目」を打つことが大切なのです。
白も境目を打っていきましょう。
例えば白10です。この手は、白△の石から「ハネ」という動きで進んでいます。接近戦でよく出てくる石の動きなのです。
囲碁用語がこれから色々出てきますが、「へえ~」くらいに思っておいてください。気になる方は、下の関連記事をご覧ください!
【囲碁用語辞典】初心者の方へ:基本的な囲碁用語はこの1記事でOK!
そして白10は、黒地へ進もうとしています。
ですので、黒も11と打って白の進行を止めますね。
では、ここで戦いの練習です。
黒11は白の進行を止めただけでなく、次に白を取ろうともしています。
黒11の次の狙いは何でしょうか?
答えいきますね。
実戦で出てくる「両アタリ」
黒は次に、黒1の「両アタリ」を狙っています。
黒1と打つことで、白Aと白Bが同時にアタリになっています。
白がどのように打ったとしても、黒はAとBのどちらかを必ず取る事ができます。
※手筋についてはこちら: 【囲碁の基本手筋】初心者の方が最初に学ぶべき重要手筋を詳しく解説!
もしも、白が2とAの方を助けたら…
黒は3と打って、白Bを取る事ができます。
白Bを取る事によって、
○の場所が黒地になり、さらに、矢印のように白の陣地へ進んで、白地を減らす狙いが生まれました。黒は得をしたということですね。
では、
両アタリをした場面に戻ります。
黒1が両アタリでしたね。
今度は、白が2と打って白Bを助けた場合を見てみましょう。
そうしたら黒は3と打って、白Aを取る事ができます。
こういう状況になります。
そして、ここからどんどん白地を減らすことができるので、黒はやはり得をしました。
OKでしょうか。
白10、黒11という局面から両アタリの話になりました。
黒11は黒の陣地を守っているだけでなく、
○の両アタリを狙っていますね、ということです。
なので、次は白の番ですから、
白12と、両アタリをされないようにツナギます。
このように、陣地の境界線を打ちながら、石を取ったり取られたりする攻防が繰り広げられます。
※もしも相手が、陣地の境目ではなく自分の陣地に入ってきた場合の対処法はこちらの記事を参考になさってください! 【相手が陣地の中に入ってきた時の対処法】無理手を咎める2つの重要な考え方
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【9路盤の打ち方】~ヨセ(終盤)~
囲碁の終盤の境界線争いの事を「ヨセ」と言います。
終局までの流れを見ていきましょう!
碁盤全体を見て、陣地の境目を探す
「黒地と白地の境目」を見ていくことがポイントになります。
この局面では、下辺と上辺が陣地の境目になりますね。(黒地でも白地でもないエリア)
次の黒番では「下辺」の境目を打ってみましょう。
こんな風に打ちます◎
黒13のような手が良い手なのです。
こんな感じで、黒地を広げながら、次に白の陣地へ進もうとしていますね。
黒13を二線の境目ということで、「二線のヨセ」と言います。
そして、石の動きは「コスミ」なので、二線のヨセの一種として「二線のコスミ」と言います。
二線のヨセとして、コスミが良い打ち方になるのです。
では、対する白も陣地を守るために14と打って、黒の進行を止めます。
そして、止めながら、次に黒を攻撃しようとしています。
どこを狙っているのかというと…
白△です!
黒×をアタリして攻めようとしていますね。
なので、黒も15と打って、黒×がアタリされないように補強します。
こんな風にして境界線が決まっていくのですね。このような攻防がヨセなのです。
さて、次は白の番です。
碁盤全体を見渡して、残りの境目を探します。
そして、白地と黒地の境目の中でも一番広い場所は…
上辺です◎
白16などと打つと白の陣地が広がりますね。
白△の石から「ケイマ」で進んでいて、青丸の場所を囲みながら、次に黒地を減らそうとしています。
なので、黒も17と打って、右上の黒の陣地を守ります。
次の白は、白〇同士をつなげる感じで…
白18が良い手です。
だんだんと陣地の境目が決まってきましたね。
そして、白18は青丸の場所を白地にしているだけでなく、次に黒を攻める狙いがあります。
それはどこでしょうか?
白の次の狙いという事で、上の図で、もう一度白が打つとしたらどこなのか?
という風に考えてみましょう。
答えいきますね。
ヨセで出てくる「両アタリ」
白1が狙いです。
ここに打つ事によって、黒Aと黒Bが同時にアタリになっています。
つまり「両アタリ」ですね。
白はどちらかの黒を取ることができます。
黒が2とAの黒石を助けたら、
白は3と打って、黒Bを取ります。
こういう状態になって、黒地をどんどん減らすことができますので、白はとても得をしましたね。
両アタリの場面に戻って、ここで黒が
黒2と打って、黒Bの方を助けたとしても
白3で、黒Aを取ることができます。
この展開も、白は得をしていますね。
黒石を取って、黒の陣地を減らすことができました。
さて、
白18は、上辺に白の陣地を作るだけでなく、次に白〇の両アタリを狙っていることが分かりました。
黒の立場で考えると、両アタリをされたら困りますね。
という事で、
次の黒19は、このように「白に打たれたら困る場所」に打って守ります。
大丈夫そうでしょうか。
ヨセの最後は「一線のヨセ」
さてここで碁盤全体を見渡すと、残りの境目は緑エリアの二ヶ所です。
終局が近付いてきました。
次は白番でしたね。
上辺の緑エリアを白が打つとしたらどこが良いでしょうか?
白地を増やして、黒地を減らす、というイメージで考えてみてください。
白20が良い手です。
「ハネ」という石の動きですね。
この手は、
味方の石と連絡しながら、次に黒の陣地へ進んで黒地を減らそうとしています。
これが「一線のヨセ」の一つで、「一線のハネ」と言います。
対する黒も21と止めます。
そして、同時に白△をアタリしていますね。
次に黒〇と打って、白△を取ろうとしています。
という事で、黒21に対しては、白一子が取られないように白22です。
これで上辺の決着がついたようにも見えるのですが、実は白22も、次に黒を攻める手を狙っています。
もう一度、白が打つとしたらどこでしょうか?
いきますね。
白22は次に、白Aに打とうとしています。
ここに打つ事で、黒一子がアタリになりますね。
こうなると、もう黒は逃げられません。
仮に黒がBと逃げようとしても、白はCと打って、黒二子を取る事ができます。
ということですので、
白22と守ったときに、黒も23と断点を守る必要があります。
これで一件落着なのです。
さて、残るは下辺ですね。
白番で下辺の境目を打ってみましょう。
先ほどの白20と同じように、白24の「ハネ」です。
場所が一線なので、「一線のハネ」ですね。
こんな感じで黒地へ向かって進んでいます。
ですから、黒も白の進行を止めます。
止めながら、白一子がアタリですね。
なので、白26と取られないようにつないで、一件落着です。
お互いに危険な石がないことを確認してみて下さい。
また、全体を見ると、陣地の境目もすべて決まりました。
これで終局になるのですね。
お互いに進む道がなくなったら「終局」
なんとなく斜めが気になるかもしれませんが、ここはもう黒石から道が出ていないので進むことができません。
例えば黒1と入って行っても、白2などと対応されて、黒1は取られてしまいます。
黒はもう白地の中には入れないのですね。
同様に、白からも黒地には進めません。
斜めには線がないからですね。
例えば、白1と入ったとしても、黒2と打たれて取られてしまいます。
このように、お互いに相手の陣地には入れない状況なのです。
これが、終局の状況なのですね。お互いに打つ場所がないということで、正式には二人とも「パス」を宣言して終局になります。
ということですので、陣地を数えて結果を出しましょう!
【9路盤の打ち方】~終局(陣地を数える)~
黒の陣地は27目。
白の陣地は28目。
プラス、コミが6目半もらえるので、白地は34目半(34.5目)ということになります。
黒地は27目でしたから、白の7目半勝ちという結果になりました。
※今回、「整地」は割愛させていただきましたが、整地の関連記事を参考に陣地を数えやすく整えてみて下さい。
まとめ
最後に、一手目から終局までの総譜を載せておきます。26手までで終局です。
いかがでしたか?
一手一手の意味を確認しながら、この棋譜を並べると、だんだん囲碁の打ち方や雰囲気が分かってくると思います。
ポイントは、
・序盤では「三線」と「四線」に打つのがおすすめ
・敵と石が接触したら、近場に打って応戦する
・陣地の境目を意識して打つと、自分の陣地が増えて相手の陣地が減る
・お互いに相手の陣地へ進む道がなくなったら「終局」
囲碁のコツはこんな感じです。
ということで、是非この手順を何回か碁盤に並べてみて下さい。
では、最後まで読んでくださりどうもありがとうございました!
次は、死活の練習で「詰碁」というものを解いてみましょう!
【囲碁入門⑱】「詰碁問題1」やさしい問題を解いて目を慣らそう!
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