今回は、囲碁の「星目(せいもく)」について解説します。
星目とは、ハンデとしての置石を9子もらう「九子局」のことです。
この記事では、星目(九子局)の黒番の時のコツをご紹介しますね。
是非、碁盤に並べて参考になさってください。
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星目とは
囲碁の星目(九子局)とは、
このように、全ての星を黒が占めた状態で始める対局のことです。
味方が非常に多い状況から始まりますので、黒が有利なわけです。
反対の見方をすると、白の方は、黒の方に9子分のハンデをあげられるくらいの実力者だということも言えますね。
九子局の置石を置く順番
九子局の黒番でのコツをお伝えする前に、「置石を置く順番」についてもご紹介しておきます。
アットランダムに置石を置くよりも、順番通りビシッと並べられるほうがカッコ良いですよね。
星目を並べる時の順番は、
この順番です。昔からの慣習でありマナーの一つでもありますので、是非ご確認ください!
関連記事: 【囲碁のハンデのつけ方】~置碁(置き碁)について~
九子局(星目)の時の黒のコツ
では、解説していきますね。
星目の時の黒番でのコツは「味方の石がつながることに集中する」ということです。
味方の石が取られないように、どこかしらの石とつながるように打てれば、「陣地を囲む」ということを気にしなくても、自然と黒地ができていきます。
これを意識しているだけで随分と打ちやすくなると思いますので、是非意識してみてくださいね。
以下では、具体的な打ち方として、
- 黒がつながるように打たなかった場合の展開(難しい)
- 全体の黒石をつなげるように打った場合の展開(おすすめ!)
の二つをご紹介します。
是非、碁盤に並べてご確認ください!
黒がつながるように打たなかった場合の展開例(難しい)
例えば白が1手目で、
白1のカカリを打ってきたとします。
これに対して黒は、
黒〇を活かして白1を攻めるために、黒2のコスミツケが部分的には良い手です。
このあと、
白3に対して黒4と打つことで、「黒〇がいるから、白は辺に陣地を作れないでしょ」と主張するのは良い考え方です。
この打ち方は、ハンデのない「互先(たがいせん)」や、ハンディキャップの少ない置き碁の時には非常に良い、ベストな対応になります。
しかし、少し視点を変えると、
赤丸で囲んだ黒が、白二子によって分断されてしまっているとも言えますね。
特に、上辺の黒〇が孤立していて、弱くなっています。
強気を継続して白を攻めることができれば良いのですが、今回は「九子局分」の実力差があるということが一応の前提ですから、この打ち方は黒にとって少し難易度が高いかもしれませんね。
この後の展開の一例をお見せしますと、
例えば白5です。
対する黒が、右上での攻防の時と同じ考えで…
黒6のコスミツケをし、黒8までの展開になったとすると、ますます黒〇が弱くなっていきます。
さらに、白9のボウシなどを打たれると、九子のハンデをもらっている黒の立場としては非常にこわい気持ちになります。
大きく囲まれて、もしかしたら取られてしまうかもしれませんね。
この後、「黒〇は絶対に取らせないぞ」という強い気持ちを継続させて、黒10や10’に打って互角に戦っていければ有利な状況が続くのですが、黒の打つ手の難易度は高くなります。
全体の黒石をつなげるように打った場合の展開例(おすすめ)
ということで、一番最初のシーンにさかのぼります。
白1のカカリに対して黒〇を攻めに使おうとして、
黒2のコスミツケを打つ展開は、白を攻める良い打ち方なのですが黒〇が孤立してややこしいことになるのでした。
なので、
白1に対する、9子局の時のおすすめの黒の対応は、
黒〇と右上隅の星をつなげるイメージで…
黒2がおすすめです◎
この手は、右上の隅の黒石から「ケイマ」で進んでいて、白への「ボウシ」にもなっています。
こんなイメージですね。
白の中央への進行をジャマし、隅の黒と辺の黒〇をつなげようとしています。
そして、今後もこのイメージを継続し続けることが重要な考え方になります。
具体的に見ていきましょう。
例えば、白3と来たとします。
この手に対しても、黒〇が孤立しないように、
白の進行方向を止めるイメージで、
黒4が良い手です◎
白にくっついているので、なんとなくこわいような感じもしますが、黒のつながりをよく見ると「一間トビ」と「ケイマ」ですね。
こういったつながりを意識することは非常に大切なのです。
敵とくっつくのが怖くて、例えば、
黒4と打つと、
むしろ、黒4と黒〇が「ハザマ」の関係になってしまいます。
白5と打たれて黒〇が孤立してしまうのですね。
こうなってくると石がバラバラになり始めて、最終的に石を取られやすい状況になってしまいます。
なので、
白3に対して黒は、「ハザマ」を作らないように、「一間トビ」と「ケイマ」を意識して、黒4とツケましょう!
この線でつながっているイメージが大切です◎
OKでしょうか。
白が5ときたら…
白がこの道で出ていかないように、
黒6ですね。
黒石のつながるラインを最初に意識しておけば、自然に打つことができますよ。
では、
白7と切ってきたらどうしましょう?
置き碁ではこのように、白から積極的に戦いを仕掛けてくることが多いです。
こんな時にも石のつながりの確認とイメージが大事になってきます。
まず、
「白7は黒を切ってきた手」だということを確認しましょう。
「味方の石が分断された」ということを認識しておくことは非常に大事で、石を取られなくするための第一歩になります。
白7によって、黒〇が弱くなったのですね。
ここで黒としては、切ってきた白を取れれば一番良いのですが、もっと楽な方法は碁盤を少し広く見ることです。
そして、
こういう方針でいきましょう。
黒〇を左上の黒とつなげるイメージで打つのです。
そう考えると、
黒8がシンプルな良い手になります。
黒〇をアタリされないように手数をのばしつつ、
左上の黒へ向かって進んでいますね。
白が9などときたら、
同じ要領で、
黒10です◎
相手がくっついてきたときには、このように味方の手数をのばすという考えで、並べて打つのが接近戦のコツですね。
今度は白11と、少し石を離して打ってきました。
この手に対して黒はどうしますか?
白がケイマで離れたので少しわかりづらいですが、白11は、
次に白△に打って、上辺の黒を大きく囲もうとしています。
白△に打たれてしまうと、
こんなイメージで囲まれてしまっていますね。
黒としてはこういう状況にならないように、白11に対して…
黒12の一間トビや、黒12’のケイマなどを使って連絡しながら脱出しましょう。
これで、左上の黒とつながりそうですね。
このようにつながりを意識して打つだけで、
自然に陣地ができてきます。
OKでしょうか。
では、
白13と打たれたらどうしますか?
この手は、ただただ白を横に並べただけの手ではありません。
白13は次に白Aへ進んで、黒△と黒×を切り離そうとしています。
こうなると、どちらかの黒が取られてしまうかもしれませんね。
なので、
そうならないように黒は、黒14としっかり対応した方が良いです。
こう打つことによって、
黒石が完璧につながります。
そして、つながるだけでなく、右辺に黒模様ができてきますね。
星目(九子局)の場合、こんな風に石の接続を意識して打っていけば、自然に陣地ができてくるのです。
「つながるように打つ」ということにフォーカスすることが大事なのですね。
では、
最後に、白が15とツケを打ってきたらどうしましょう。
隅の黒に対して、白がツケで攻撃してくることはよくあります。
ここでもやはり黒は、味方の石のつながりにフォーカスをして、
黒16がおすすめの打ち方です。
ツケられた黒をのばしながら、コスミで連絡していますね。
関連記事: 【囲碁の「コスミ」や「ケイマ」はなぜ良いのか?】意味が分かるとおもしろい!
そして、
黒16は次に白地へ進んでいって、白を分断しようとしています。
白もそれは困るので、
白17とつなぎますね。
この後は例えば…
黒18などが良い手です◎
この手も、
黒Aと黒Bを「一間トビ」と「大ゲイマ」でつなげていますね。
そうすると、
こんな風に黒模様ができてきます。
どうでしょうか。
星目の場合は「味方の石をつなげる」ということを意識して打つと、自然に陣地ができていくのです。
まとめ
9子の置き碁の対局で、
白1とかかってきた場合に黒は、黒2の「ケイマ」がおすすめの打ち方です。
そして、黒2の考えは、
こんなイメージで、黒石全体をつなげているのですね。
復習用に、この後の展開の一例手順を載せておきます。
是非、碁盤に並べてみて下さいね。
参考にしていただければ幸いです。
では、最後まで読んでくださりどうもありがとうございました!
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