今回は「囲碁13路盤の打ち方」について詳しく解説します。
布石から、終局、整地までをしっかり勉強できます。
初めての囲碁用語も色々と出てきますが、実際に碁盤に並べて、ゆっくり学習していってください!
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13路盤の打ち方~布石~
打ち方の一例として並べてみてください。
まずは「布石」からです。
今回は黒1~白4と打ってみましょう。
黒1、白2が「星」で、黒3、白4が「小目」ですね。
黒5が「小目の小ゲイマジマリ」です。
このように小目のシマリを打つと、隅が黒地として完成します。
白に侵入されなくなるのです。
イメージとしては、四線から三線に戸締りして、隅を守っている感じです。
白も同じように、白6と小目の小ゲイマジマリを打ってみます。
向きが違いますが、意味が同じなのですね。
四線から三線に戸締りをして、隅の陣地を守っています。
では、今度は黒番で、星のシマリを打ってみましょう。
例えば、黒7が「星の一間ジマリ」です。
この手は、右上の隅の黒地を守っているだけでなく、右下のシマリの石と連携を取って、右辺の黒模様を拡大しています。
このように広く視ることができると面白いですね。
今度は白番で、上辺を広げてみます。
これも一例ですが、白8が良い手ですね。
この手は、左上の白のシマリをバックに、上辺に白地を作ろうとしています。
また、次に黒地への侵入も狙っているところがポイントです。
黒も、侵入されたら嫌ですから守ります。
黒9が「トビサガリ」という良い守り方です。
そして、黒9はただ守っただけでなく、次に黒△の打ち込みを狙っています。
守ったあとは攻めるのですね。
なので、黒9に対しては、黒からの打ち込みを防ぐ意味で白10です。
味方の石とうまく連携を取りながら陣地を守っています。
こんな感じで、「ケイマ」と「大ゲイマ」ですね。
では、今度は黒番で下辺に目を向けてみましょう。
下辺に黒地をつくるためには、黒11が良い手です。
右下の黒から「二間ビラキ」で進んでいて、左下の白に対して「小ゲイマガカリ」になっています。囲碁用語が色々出てきていますので、下の関連記事も参考になさってください。
【囲碁用語辞典】初心者の方へ:基本的な囲碁用語はこの1記事でOK!
そして、白12が、黒11のカカリに対する「受け」です。
「一間トビ」で受けているので「一間受け」ですね。
こんなイメージです。
黒11とは反対の方向へ陣地を発展させていて、左上の白との連携もばっちりです。
では、今度は黒番です。左下の白の陣地をさらに減らしてみたいと思います。
黒13が「スベリ」という良い手です。
黒石をケイマで連絡させながら、白の陣地へ滑り込んでいるのですね。次に隅へ進んで、白地を減らそうとしています。
白もこれ以上、黒に入ってこられるのは嫌ですから、白14と打って陣地を守ります。
さて、これで大体「隅」と「辺」が打ち終わりました。これから中央の境目を争うことになります。
13路盤の打ち方~中盤戦~
この辺ですね。中央の決着のつけ方を見ていきましょう。
次の黒は例えば…
黒15のような手が良い手です。
下辺の黒から「一間トビ」でつなげながら、中央が黒っぽくなっていきます。
そして、さらに上にあがっていこうとしていますね。
黒△と打てたら、右下から中央への黒地がとても大きくなります。
なので、それをさせないために、白16が良い手になります。
この手は、黒の進行方向を止めながら、白の陣地を拡大していますね。
そして、さらに白△に打ちたいです。
白地を増やしながら、黒の陣地を小さくしています。
なので、対する黒は17と打って白の進行を止めたいですね。
しかし、今回のこの黒17はあまり良くありません。
なぜでしょうか?
実は、黒15と17は連絡できていません。
「ハザマ」といわれる悪い形です。黒15と17の間が一列空いてしまっているのですね。
なので、白18と攻められると困ってしまいます。
白18は二方向に進もうとしていて、黒はこれを同時に止める事ができません。
どんどん進まれて黒地が減ってしまうのです。
ということで、白16に対して黒は、少し工夫をして止める必要がありますね。
どう打つのが良いのかというと…
黒17が良い手です。
相手の石とくっついているので「ツケ」ですね。
「ツケ」ながら、黒石同士が「ケイマ」と「大ゲイマ」になっています。
石の連絡はとても大事ですね。
このように連携を取っていれば、
白18と入ろうとして来ても、
黒19と打って、止める事ができます。
白が20と来ても…
白の、黒地への道を止める感覚で、
黒21です。
白はこれ以上黒地へ入る事ができません。
そして、次に黒△のアタリも狙っています。
ということで、白は22と「ノビ」を打ちますね。
さらに、境目を打つ意識で黒23です。
この手はこのように進んでいますから、
白24と止めます。
黒も25と止めて、境目が決まってきました。
白が26ときたら、
黒27と止めます。
白も28と上辺の白地を守るように打って、お互いの陣地がまとまってきました。
さて、ここで碁盤全体を見まわしてみましょう。
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13路盤の打ち方~ヨセ(終盤)~
残りの陣地の境目は緑丸の三か所です。
どこの境目を打っても大丈夫なのですが、広いところから打っていくのがお得です。
黒29が、碁盤の端(下)から数えて二線の場所のヨセです。
「二線のヨセ」と言って、終盤ではとても大きな場所になります。
白が△と打つのと比べて、陣地の景色が随分と違うのです。
隅が白の陣地になりますね。
黒が29と打つ事で、白の陣地が減って、黒の陣地が増えるのです。
白も、これ以上進んで来られないように白30と止めます。
さらに、黒31が白を攻める良い手です。
この手は次に、
黒△の切りを狙っています。
ここに打てば、二線の白一子を取る事ができます。
【囲碁の石の取り方について】アタリの方向が大事!二線の石を取る方法
なので、黒31に対しては、白32とつなぐことになります。
さて、今度はこのエリアを打ってみます。
黒が白の陣地へ進むようにして打ってみましょう。
そう考えると、黒33が良い手です。
黒石同士はちゃんとつながっていて安全ですし、
白の陣地へ向かって、二方向の道があります。
このように二つ道があるという事は…
白が34とこちらを止めてきたら、
黒35と、もう片方の道を進むことができます。
白も、黒がこれ以上進んでこないように、白36と止めます。
この後黒も、例えば黒37と打つと、赤丸の場所を陣地にすることができますね。
このように、お互いに陣地の境界線を打ってヨセが進みます。
白38ときたら…
黒39ですね。白が進んでこないように止めて、黒の陣地を守ります。
さて、今度は上辺に行ってみましょう。
白40が良い手です。
黒地へ入ろうとしていますね。
なので、黒も41と止めます。
止めると同時に、白一子をアタリしています。
白はアタリの石を42と打って助けます。
そして、
白は42と守りながら、次に白△に打って、黒を攻めようとしています。
黒はこのような展開にならないように…
白42のツナギに対して、黒も43と断点をしっかりつなぎます。
このやり取りは、実戦でよく出てきます。
さて、ついに最後の境目です。緑丸のエリアが、白地と黒地の境界線ですね。
白はどのように打ったら良いでしょうか?
白44。
と打ちたいところなのですが、この手はキケンですね。
黒45と打たれると、今打った白一子が取られてしまいます。
碁盤の端っこは取られやすいのです。
なので、白44はこのように真っ直ぐ打ちます。これならば取られません。
では、今度は黒の番ですね。
黒も、黒45と端っこへ進むのは…
白46と打たれて取られてしまいます。
隅はお互いに要注意ですね。
ということですので、黒45はこのようにしっかりつなぎます。
そして、ようやく白46と最後の境界を詰めて、境目を全て打ち終えました。
このような、どちらの陣地でもない境界の事を「ダメ場」といいます。
日常で使っている「ダメ」の語源です。
また、白46とダメを詰めることを「ダメ詰め」といいます。ダメ詰めをして、終局になるのですね。
さて、陣地の境目は全て打ち終えたので、形としては終局なのですが、実は、取られそうな黒石があります。
次は黒番ですので、危ない黒石を探して守ってみましょう。
白に打たれると取られてしまう黒を探すのです。
正解は、ここです。
白△と打たれると、隅の黒四子がアタリになってしまいます。そして、黒が逃げようとしても、白に取られてしまいますね。(黒が助からない事を確認してみてください。)
ということですので、そのようにならないために、黒47が必要です。
今の考え方は重要で「白に打たれると困る」という場所を探すことがコツなのです。
このあと、白の人が打つ場所はもうない、と思ったら「パス」と言います。
そして、黒の人も「パス」と言ったら「終局」になり、整地をしていくことになります。お互いに「パス」をして終局なのですね。
なので…
白の人が諦めずに、たとえば白48などと打ってきた場合は、戦いが続きます。せっかくなので、白48に対する黒の対応を考えてみましょう。
黒としては、右下は黒の陣地だと思っていたわけですから、この白を取りたいですね。
どう打つのが良いのかというと…
黒49が、白をやっつけるために良い手です。
取りたい白石を隅に追いやっています。このまま白を隅に閉じ込めましょう。
なので、白50には、黒51。
続けて、白52には53と対応して、白を封鎖します。
封鎖が完了したので、あとは白に二眼を作らせなければ、丸ごと取ることができます。
ということで、白が54と打ってきたらどうしましょう?
これが「死活問題」ですね。
こういう時、次は黒の番なのですが、
白で考えると答えが出てきます。
白は54と打ったうえで、さらに白△に打ちたいと思っています。
ここに打つと、白は二眼を作れるからですね。
なので、黒はそれを読み取って、黒55と打つのがGoodです。
「白に二眼を作らせない」という考えになります。
では、続けて白56ときたら?
ここでも、白の打ちたい場所を探します。
白は白△に打って二眼を作ろうとしています。
ですので、黒57はこの場所に打つと良い、という事になりますね。
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さて、これで白は一眼しかできません。
この後白が、白A、白Bと二回続けて打って黒二子を取ったとしても、
このように一眼しかありません。
隅の白はしんでしまっていて、陣地を数える時にアゲハマになるという事ですね。
黒からすると、隅の黒の陣地を死守できたという事になります。
一眼の石を取れている、という話は、下の関連記事をご覧ください。
【囲碁入門⑧】「死に石について」取られている石ってどういうこと?
ということで、黒57と打った段階で白はお手上げ状態なのです。
黒は、入ってきた白をやっつけることができました。
さて、白が諦めたところで終局です。(実際には、白がパスして、黒もパスをして終局です。)
ではここから「整地」の練習をしてみましょう。
13路盤の打ち方~整地~
先ほどの話から、白△は「死に石」となって黒にアゲハマとして取り上げられます。
そして、白の陣地を埋めるのですね。
たとえば…
こんな感じです。
これからお見せする整地は一例ですので、色々な方法を試してみてください。パズルみたいで面白いですよ。
白地から整えてみましょう。
今度は白△を動かしてみます。
「5×4」の20目の陣地を作ろうとしています。
たとえばこんな風に移動して、左下の白の陣地が20目になりました。
そして今度は、この白△を移動します。
ここも、4×5の20目の陣地にします。
こんな感じですね。これで白地の整地が完成しました。
盤面の白地は、20目+20目+8目で白地は48目です。
それと、コミが6目半ありますから、54目半ですね。
では、今度は黒の陣地を数えてみましょう。
黒△を動かします。
こんな風に移動すると、右下の黒地は5×8の40目の陣地になりますね。
そして最後に、この黒△を動かします。
こうですね。
すると、4×5の20目と、端数の4目に陣地が分かれて計算しやすくなりました。
ということで黒地を合計します。
40目+20目+4目で、64目ですね。
白の陣地は54目半でしたから、黒の9目半勝ち、という事になります。
最後に、
全手順を載せた「総譜」を載せておきます。
是非、解説を読み返しながら並べてみてください。
打ち方がだんだんわかってくると思います。
では、最後まで読んでくださりありがとうございました!
次は「19路盤」での打ち方を学ぶために、「定石」というものについて見ていきましょう!
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