今回は「厚み」と「模様」の違いについてお話しします。
「厚みを囲うな」や「厚みに近づくな」という格言の意味もよく分かってきますので、どうぞゆっくり見ていってください。
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「厚み」と「模様」は何が違うの?
「厚み」と「模様」の違いってよく分からないですよね。
似ているようで違うのですが、
2つの違いを端的に表現しますと、
厚みは「しっかりとつながっている石たち」で、模様は「陣地になりそうなエリア」です。
具体的に見ていきましょう。
【黒1~白60まで】
たとえば、こんな棋譜があったとします。(「打ち込み」と「三々入り」の練習になるので、是非並べてみて下さい。)
こういう状況ですね。
この図で、「白の厚み」と「白の模様」について考えてみます。
それぞれを探してみますと…
右辺の白〇たち:厚み
左辺の青丸エリア:模様
という感じです。
どちらも大まかではありますが、はっきり言えることは、
厚みは「石」で模様は「空間」ですね。
もっと追及して表現すると、
厚みは「つながっている石たち」で、模様は「陣地になりそうなエリア」です。
何となくイメージは伝わりましたか?
厚みを囲うと模様になる
では今度は、白番で右辺の厚みから陣地を作ろうとしてみましょう。
たとえば…
白1、3などです。
このように打つ事で、
青丸のエリアが「白模様」になります。
さて、
模様=陣地になりそうなエリア
でしたから、まだ陣地ではありません。
次は黒の番になって、
ジャマされます。
たとえば黒4、6ですね。
白は5、7と囲めば陣地になりますが、黒8などと打たれると…
増えた白地よりも、増えた黒地の方が多いです。
これでは、厚みから陣地を作ったとしても、白の形勢は有利になりませんね。
さて、
ここから僕たちが学べることは、
「厚み」が陣地になるまでのステップです。
厚みが陣地になるには、
厚み⇒模様⇒陣地
という段階があるのです。
そして、厚みが模様になった時に、相手からのジャマが入ることが多いのですね。
つまり、陣地になりづらいのです。
この法則を昔の人たちは、格言として、
「厚みを囲うな」や「厚みに近づくな」
と言ったわけですね。
格言の仕組みは伝わりましたか?
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厚みに敵が近づいてきても気にしない
では今度は、
この局面で黒番で、右辺の白の厚みに近づいてみましょう。(冒頭の棋譜を並べてもらえれば分かりますが、実際に黒番です。)
たとえば、
黒1などですね。
この手は、白〇の厚みに近寄って、
「陣地を作らせないぞ~」
と言っています。
ここで白の人は、すごいイジワルをされた気分になって落ち込みがちですが、厚みに近づいてきた相手の石は気にしなくて良いです。
白〇たちが「取られさえしなければ良い」くらいに考えていて大丈夫です。(取られないようにしてくださいね。)
このあと具体的にどう打つのかを見ていきましょう。
たとえば…
白2です。
右辺の白〇たちは気にしません。
黒が厚みにイジワルしている間に、白は左辺の模様を陣地にしていきます。
この調子で、
黒がしつこく3~7などと打ってくるかもしれませんが、右辺は気にせずに、左辺の白模様を陣地にすることを考えましょう。
ただし、×の断点を守る白6は大事な一手ですね。取られないようにすることも忘れないようにしてください。
さて、黒15までの展開になったとすると、
白〇の厚みからは陣地ができなくなりましたが、左辺の白模様がとても大きな陣地になりました。
また、黒地は小さいですね。
白の厚みに近づいたから、このようなことになったのです。
ということで、
黒1などと、厚みに近づくのは得策ではありません。
ではどこに近づいたら良いのかというと…
「厚み」ではなく「模様」に近づこう
「模様」に近づいてください。
黒1は一例ですが、左辺の白模様の拡大を制限する良い手です。
こんなイメージで、
白模様へ入ろうとしつつ、上辺の黒模様を拡大していますね。
その後、たとえば上の図のようになると、
白模様を抑えつつ、中央に黒模様ができてきます。
厚みに近づいた場合よりも、黒はずっと良い状況ですよね。
どうでしょうか。
是非、碁盤に並べて景色の違いを見比べてみて下さい。
【参考】厚みについての関連記事:
まとめ
以上をまとめますと、
- 厚みは、「しっかりとつながった石たち」
- 模様は、「陣地になりそうな空間(エリア)」
- 「厚み」⇒「模様」⇒「陣地」というステップで陣地になっていく
- 厚みを模様にすると相手にジャマされる⇒厚みを囲わない方が良い
- 厚みではなく、模様に近づこう!
どうでしょうか。
是非、実戦で意識してみて下さいね。
では、最後まで読んでくださりありがとうございました!
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