今回は「死に石」について勉強していきましょう。
この解説を読むと、どういう状態の石が取れていて、どういう状態の石が取れないのか、が分かります。
非常に大事なところなので、しっかりご確認ください。
囲碁の大事なルール「死に石」とは?
では、まずはこの図をご覧ください。
これは、黒の陣地と白の陣地の境目がすべて決まって「終局」した状態です。
これからお互いに相手の陣地を数えていくのですが、
白△はどうなっているのでしょうか。
どう思いますか?
そう、この白は黒1と打たれると取られる状態です。
かと言って、仮に白の番で白が1と逃げようとしても…
黒2で、結局白△はまとめて取られてしまいます。
つまり、
この状態で白△はお手上げなのです。
白△はこのまま、先ほどの黒1と打つことなく、取れている石になります。
どういうことかというと…
陣地を数える時に、そのまま手で取り上げて良いということです。
相手の陣地を埋める「アゲハマ」になるのですね。
このような感じで、白△は白の陣地に帰っていきます。(白地が減りました。)そして、陣地を数えてみますね。
黒の陣地はこのポッチの数で、30目です。(黒石は陣地に数えません。)
白の陣地も同様に、白石で囲んだ交点の数を数えて…
26目です。
⇒先ほど埋めた白△の場所は陣地ではありませんね。
このように、相手の石に囲まれていて、逃げようがない石を「死に石」と言います。
そして、死に石は陣地を数える時に、そのまま取り上げて「アゲハマ」となるのです。
死活の判断「石の生き死に」
では、今度はこのような図を考えてみましょう。
陣地の境目が決まって、終局している状態です。
さて、
右下の白△の三子はどうなっているのでしょうか?
ちょっと考えてみて下さい。
この白三子は…
黒から1と打たれると取られてしまいます。
かと言って、白番で助けることができるのかというと…
白1とは打てないですね?
白四子からの道を、黒にすべてふさがれてしまいますので、白1はルール上「打ってはいけない場所」になります。
【囲碁入門⑥】着手禁止点とは?囲まれているところには打てない!
つまり、白から打ったとしても助からないのです。
ということで、
この白三子は、このまま「死に石」となります。
(黒も、わざわざ一手使って取る必要がないのです。)←重要
「陣地を数えましょう。」となった時に取り上げて「アゲハマ」になります。
このような感じで白地を埋めて、黒は、白の陣地を減らすことができます。
そして、お互いに陣地を数えて勝敗を決めます。
OKでしょうか?
眼の話にいきますね。
この、右下の白三子の状態が「一眼で死んでいる」という状態で、死に石になります。
A の場所にしか眼がなく、白から助かる手がないのですね。
一眼の話の発展編
さて、今回はもう一つ踏み込んで話をしていきます。
この図はどうでしょうか?
先ほどの図よりも、黒○が離れています。
早速、結論を言いますと、この白は「死に石」になります。
「A の一眼しかないから死んでいる」と考えても良いですし、「白から助かる手がないから死んでいる」と考えてもOKです。
(白番だったとしても助かる手がないということを確認してみて下さい。)
つまり、陣地を数えるときになったら、
白三子をそのまま手で取り上げて、白の陣地を埋めて良いのです。
アゲハマになるということですね。
陣地を数えるときの「二眼の生き」
さて、もう1テーマだけやります。
この図はどうでしょうか?
この図の右下の白に対して…
黒から1とは打てません。
白を取れるわけではないので、着手禁止点ですね。
こちらにも打てません。
ということで、この白は A と B に眼があって「二眼の生き」になります。
黒から打っても、白を取れないのです。
この状態で終局になり、右下は白の陣地となります。
このようにポッチのところが白地になります。
数えてみると、29目の白地ですね。
それで、黒地はこういうことになります。
数えてみますと、18目になりますね。
白が生きていることで、黒地が随分と少なくなりました。
どうでしょうか?
「石が生きているのか死んでいるのか」は、勝敗がひっくり返るくらい重要であるということと、石が取られないためには、「二眼」以上眼があることが大切なのですね。
「生き死に」についてのまとめ
このような局面の場合、右下の白は一眼しかないので「死に石」になり、終局後、陣地を数える時にアゲハマになります。
そして、このように白地が二部屋ある場合は「二眼ある」と表現し、白地としてカウントされます。
一眼なのか、二眼なのかが生き死にの分かれ道でした。
どうでしょうか。
囲碁の入門では、死活が最もつまづきやすい単元です。
是非、またゆっくり見てみて下さい。
次は「生き死にの判断と死活問題」について見ていきましょう。
※囲碁入門ではどんなことを学ぶのか?という今後の全体像については下のまとめ記事をご参考ください。