今回は、「石の強弱の見分け方」について解説します。
・弱い石とは、逃げ道(呼吸点)の少ない石や、眼のない石のこと
・強い石とは、逃げ道(呼吸点)の多い石や、二眼以上ある石のこと
ということになるのですが、その仕組みや見分け方を見ていきましょう。
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石の逃げ道のことを「呼吸点」という
まずは、呼吸点という言葉についてです。
このように黒石があったとして、
この石からは、このように逃げ道が出ていますね。
この逃げ道のことを「呼吸点」と言います。
全て塞がれたら取られてしまうという意味でも「呼吸点」という呼び方はぴったりです。
呼吸点の多い石は強い石
さて、呼吸点の多い石は相手に取られづらいわけですから、多ければ多いほど強い石だということになります。
たとえばこの黒二子は、
呼吸点が6つありますので、先ほどの黒一子よりも強い石ということになります。
また、
この黒三子は、
呼吸点が8つありますので、さらに強いです。
ここで大事なのは、石の数ではなく呼吸点の数ですね。
石の数が三子であっても、このように白に囲まれていたら弱い石になります。
この黒の呼吸点は3つしかありませんね。
石がどんなに増えても、敵に囲まれていたら弱さは同じです。
こんなに長くつながっていても、
3つしか逃げ道がなく、危ない状況です。
冒頭の黒一子よりも弱いのですね。
でも、もしも、
このように道があいていたら、
呼吸点は5つに増えて、先ほどよりも随分と強い石になります。
対局で戦いが起きて、石がごちゃごちゃしてきたら、お互いの石がどこまでつながっていて、呼吸点はいくつなのかを数えることが大事です。
是非、実戦で意識してみて下さいね。
さて、続きを見ていきましょう。
呼吸点よりも大事な「眼」と「根拠」
これまで呼吸点についてお話ししてきましたが、
次は、呼吸点よりも石の強弱に大切な「眼」や「根拠」について解説していきます。
例を見ながらやっていきますね。
この黒三子は、
呼吸点が6つもあるので、アタリにされづらく強い石です。
でも、こういう石よりも強い石があって、
それは、
こんな感じの石です。
二眼以上ある石はどんな石よりも強い
A と B のように二眼が確保できている石が最も強い石になります。
相手に囲まれても取られないということですから、
白にこんな風に封鎖されたとしても大丈夫です。
二眼確保できているというのは安心ですね。
さて、
先ほどの黒三子は、呼吸点は多いですが眼がありません。
アタリにはされづらいかもしれませんが、
白に囲まれたら取られてしまいます。
この黒三子はこのまま、終局の時に「死に石」としてアゲハマになってしまいますね。
黒番であっても助からない(二眼できない)ということを確認してみて下さい。
根拠の作り方
ということで、
この時に黒は、三子を放っておかずに、
黒1などの「ヒラキ」を打って、眼を作るのに十分な広さの陣地(根拠)を作っておくことが大事です。
8目以上の陣地があれば、だいたい大丈夫
生きるための陣地である「根拠」を作る時の目安なのですが、
だいたい8目~9目以上の陣地があれば、相手に囲まれても二眼を作って生きることができます。
なぜかというと、眼を一つにする「中手」には8目中手や9目中手が無いからです。
中手は最大で「六目中手(花六)」ですので、8目くらいの陣地があれば、一眼にはされないだろうという予測が立ちます。
今回の図で言うと、黒1のヒラキの後、
白が2、4と攻めてきても、黒は3、5などと対応をして、
9目くらいの陣地を確保できていそうですね。
さらに、
白6~10などと狭めてきても、黒11まで、しっかり根拠を守れています。
根拠があれば、白に囲まれたとしても平気です。
このあと白番で、
白1~7などと攻めてきても、黒8まで二眼以上を作れますね。
黒が取られないということをご確認ください。
そしてこの話は、
「ここまでを頭の中で読みましょう!」
ということではなく、
「8目、9目くらいの陣地があれば、相手が攻めてきたとしても何とかなる」
ということが主旨です。
手順を丸暗記するのではなく、実戦で陣地の広さを意識することが大切なのです。
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根拠のある強い石の例
では、例題を見ながら「根拠」について考えていきましょう。
2つの例を挙げてお話ししていきますね。
例①:二間ビラキ
まずは「二間ビラキ」についてです。
二間ビラキしておけば大丈夫!
というようなことがよく言われますね。
それはどういうことなのかというと、
6目くらいの陣地を確保しつつ、
A や B に根拠を広げる余地があるから、この二間ビラキは強いのです。
A や B に余地があるということがとても大事で、
こんな風に、白に両側を詰め寄られていたら警戒した方が良いです。
黒はどちらにも進めませんので、
黒1などと打って、中央へ出つつ根拠を作りましょう!
白2と迫ってきたら、
黒3、5のツケノビなどで補強します。
このように打つ事で、
中央に頭を出しつつ、8目以上の陣地(根拠)ができそうですね。
二間ビラキというのは、このように敵が迫ってきても、その時に対応をして根拠ができるから強いのです。
実戦で良く出てくる話ですので、是非並べて確認してみて下さい。
さて、
この時に、「黒が二間ビラキを補強しなかったらどのような目に合うのか」も見ておきましょう。
白番での黒の攻め方ということになりますね。
色々な攻め方がありますが、たとえば…
白1などが厳しい攻撃です。
この手は、
黒を分断しようとしています。
なので、
黒は2と対応しますね。
そうしたら次の白は、同じ要領で、
白3が良い手です。
この手は、黒地が広がらないようにしつつ、
さらに黒地へ進もうとしています。
対する黒が4とつないだとします。
ここで白番で、黒の陣地を狭めてみましょう!
どう打つのかというと…
白5、7の「二線のコスミ」が好手です。
白9までの展開になると、
黒地は頑張っても4目の陣地しかできず、一眼になってしまいます。
黒が二眼できないことを確認してみて下さいね。
この状況は、
白に封鎖されたら丸ごと取られてしまいますので、黒が非常にまずいです。
ということで、
二間ビラキをしていたとしても、両側に敵が迫ってきたら黒1と補強しましょう。
白2に対しても、
このように根拠を作っておくことが大切です。
例②:よくある星の形
では、今度はこの形です。実戦で良く出てきますよね。
この黒は強い石です。
なぜ強いと言えるのかというと…
A と B に根拠を作る余地があるから強いのです。
たとえば、
白×などのツメがきて、上辺へ展開できなくなったとしても、
黒1の「トビサガリ」で隅に根拠を作れるのです。
※隅に白が入ってこられないということについては、囲碁オンライン講座の第2回目の講義で詳しく解説いたします。
黒1はとても優秀な手で、隅に12~15目くらいの陣地を作ることができます。
白2、4と攻めてこられても、黒3、5と対応して、十分に陣地を作ることができますね。
また、
この時に、
白が三々に入ってきたとしても、
ある程度対応したところで
右上の戦いを切り上げて…
黒8のヒラキが大切です。
ここに打つ事で、
根拠をしっかりと確保することができます。
どうでしょうか。
この黒の形は、
A と B のどちらかに打って「根拠」ができるから強い石なのでした。
具体的な打ち方というよりも、この考え方がとても大切です。
是非、実戦で意識してみて下さい。
まとめ
- 呼吸点の多い石は強い
- 眼のある石はもっと強い
- 序盤では、眼ができるように「根拠」を作ることが大切
今回は「眼」と「根拠」について詳しく解説しましたが、冒頭の「呼吸点」も接近戦の時に大切です。
敵と味方の石が混んできた時には、是非、呼吸点を数えて落ち着いて打ってみて下さいね。
では、参考にしていただければ幸いです。
最後まで読んでくださりどうもありがとうございました。
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