今回は「石の生き死にの判断と死活問題」について解説します。
この話を理解すると、実戦で危機を回避したり、相手の石を一眼にして取る事ができるようになってきます。
目次
「死活問題」とは?
死活問題とは、「生き形」と「死に形」の境の状況のことです。
まずは、死に形と生き形について見ていきましょう。
死に形
まずはもう一度確認もかねて、この図から考えてみましょう。
この白はどうなっているでしょうか?
生きか、死にか…
この白は、黒1と打たれたら丸ごと取られてしまいますし、
白番であったとしても、助かる手はありません。
白1は「着手禁止点」ですね。
なので、
この段階で、お互いに何も打たずとも白死なのです。
これが、A にしか「眼」がない状況で、「白は一眼で死んでいる」と表現します。
では、この図の白はどうでしょうか?
先ほどよりも白と黒の間が空いていますね。
結論は、この白も「一眼で死に」です。
周囲の道が空いていたとしても、「黒に囲まれていて、眼が一つしかないのであれば、死にです。」
白は A にしか眼がないのですね。
また、白から助かる手がありません。
例えば白1と打ってみたとしても、黒2と打たれて(厳密には黒2すら不要)、白はこれ以上抵抗ができません。
なので、
この段階で白死なのです。
「なす術無し」=「取られている」ということですね。
次もいきましょう。
この図の白はどうでしょうか?
この白も、やはり死にです。
Aの一眼しかなく、黒に包囲されているので、助かる術がないのです。
仮に1、3などと抵抗してみても、結局最後はアタリになって取られてしまいます。
ですので、
この段階で白は「取られている」と判断した方が良いのです。
もう大分伝わってきたと思いますが、この図はどうでしょうか?
今回も、同様の考えで白死です。
白は一眼しかなく、黒に封鎖されています。
なので、もう取られていると考えて良いのですね。
OKでしょうか。
でも、もしもこんな感じだったら話は違ってきます。
Aの一眼しかありませんが、この状況は黒に囲まれていません。
封鎖されていませんので、今後A以外にも白の眼ができる余地があります。
白は青丸のあたりに別の眼を作れば、生きることができます。
生き形
では、今度はこの図です。
この白はどうなっていますか?
今度は「白生き」です。
AとBに合計二つ眼がありますので、黒から「白を取る手」がありません。
このあと黒が、一生懸命黒△と打って、白の周りを囲んでいったとしても、これ以上手が出せません。
白をアタリの状態にできないのです。
ということで、この状態はこのまま「白生き」ということになります。
「二眼」あるから取られないのです。
【囲碁入門⑦】「生き死にの原理」死活の本を読む前に要チェック!
死活問題
さて、最後のテーマです。
この白はどうなっているでしょうか?
ここでもしも白番だったら、白1と打てば「生き」です。
AとBの二部屋で「二眼」ですね。
生きていて、AもBも白の陣地です。
でも、
もしも黒番だった場合は、黒1と打たれて、これは「白死に」です。
Aの場所は白の眼ですが、Bの場所は黒1が来てしまったことで、白の眼とは言えません。
つまり、Aにしか眼がなく「一眼で死に」の状態です。
終局の時に、この白は全部黒のアゲハマになってしまいます。
ということでこの図は、○の場所に、白が打つか黒が打つかで結果が変わってきます。
この状態が「先手必勝」で「死活問題」です。
実戦では、いち早く、○のような急所を見つけることが重要になってきます。
そして、死活の急所を見つける訓練が「詰碁」です。
どうでしょうか。
生き死にについて大分分かってきましたか?
次は「欠け眼」というものについて見ていきましょう。
※囲碁入門ではどんなことを学ぶのか?という今後の全体像については下のまとめ記事をご参考ください。