今回は「19路盤入口」の初級者・初心者さん向けの講座をシェアしますね。
この講座を読むと、19路盤での布石~中盤の打ち方や、終局の仕方、整地の方法までを網羅的に学ぶことができます。
是非ゆっくり見ていってください。
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こんにちは。
今日もよろしくお願いします。
前回、前々回と19路盤の棋譜を学習してきましたね。
図1
序盤から中盤にかけては、
中央の陣地の広げ方を見てきました。
図2
中盤から終盤にかけては、
石のつながりと、二線の相手の石を取る手筋(ハサミツケ)、相手の陣地を減らすヨセの手筋(サルスベリ)、などを学んできました。
今回は、ここから終局までの手順と、19路盤での整地をやっていきます。
では、頑張っていきましょう!
終盤のヨセでは「デ(出)」をどんどん打っていくのがポイントになります。
「デ」というと、
たとえば…
図3
白94です◎
図4
黒地へ向かって前進していますね。
図5
なので、黒は95と止めることになります。
白94が「デ」で、黒95が「オサエ」です。
白は黒地へ出ることで、黒の陣地を一目減らすことができました◎
(黒地が黒95と打つことで埋まったのです。)
同じように、
「デ」を打って陣地の境界線を決めていきましょう。
碁盤全体を見ると、境目はたくさんあります。
図6
例えば白96がそうです。
図7
黒地へ向かって進もうとしていますね。
図8
黒97と止めさせることで、
97の場所が黒地ではなくなったのです◎
白の立場で考えると、黒の陣地を一目減らすことができました。
では、
続けて、
図9
白98◎
この手は「デ」ではないのですが、
デと同じように黒の陣地へ侵入しようとしています。
次にどう進もうとしているのかというと…
図10
白△です。
ここに打って、黒をアタリしながら黒の陣地の中へ入ろうとしています。
ということですので、
図11
白98には、黒99と受けることになりますね。
境目が決まってきました。
では、また全体を見ましょう。
左辺側の境界に注目して…
図12
白100です◎
この手も黒地へ進もうとしていますね。
図13
黒は入られたくありませんので、
黒101と、白の進路を止めます。
白も続けて、
図14
白102が良い手です◎
左辺の白の陣地を守りつつ…
図15
次の白△に打って、
黒をアタリにしようとしています◎
図16
なので、
白102には、黒103と守ることになりますね。
終盤戦でよくある境目の攻防なのです。
では、
さらにこの周辺で境目を探すと…
図17
白104と出て、
黒が105とおさえます。
そして…
図18
今度は白が狙われています。
白がこの場所を放っておいて、
黒△と打たれると、
白をアタリされながら、黒が白地に進んできてしまいます。
白としては、そうならないように…
図19
白106と戸締りをしておく手が大切になります。
陣地の境目を打つと、
敵と接触することになるので「アタリ」がよく出てくるようになります。
ということで、
黒番で白をアタリできるところを探してみましょう!
左辺のエリアで、白をアタリにできます。
図20
黒107です◎
これで、白一子がアタリになっていますね。
図21
白に108と打たせることで、
108の場所が白石で埋まって、白の陣地ではなくなったのです◎
白地を一目減らせましたね。
では、
また全体を見て「デ」を探しましょう。
白地へ向かって一歩前進する感じです。
たくさんありますね。
まずはたとえば…
図22
黒109◎
図23
進んでいます◎
図24
白は110と止めますね。
図25
同様に黒111と出て、
白112とおさえます。
白地に向かって一歩進むことで、
白の陣地を一目減らしています!
では、
図26
黒113はどうでしょうか?
この手は…
白地に向かって進んでいないですね。
あまり良い手ではありません。
図27
白地への道が無いだけでなく、
黒113は逃げ道が二つしかない危険な石です。
と、いうことですので、
白番で黒113を取る手を考えてみましょう!
どう打てばこの黒を取れますか?
いきますね。
図28
白114です◎
黒一子を切り離しながらアタリしています。
図29
黒の抵抗としては115ですね。
取られないように逃げています。
では、さらに白番で黒を攻めましょう。
図30
白116◎
下辺の黒と、つながらないようにしながらアタリしていますね。
図31
さらに黒が117と逃げてきたら…?
図32
この黒は、
次に下の黒とつながろうとしていますので…
図33
白118ですね。
図34
では、
また黒119と逃げてきたら…?
この黒は、
図35
今度は上の黒とつながろうとしています。
図36
なので、白120がGoodです◎
これでこの黒四子を取れそうですね。
図37
黒121と頑張っても、
白122と止めれば、黒はこれ以上動けません。
黒を取る事ができました!
どういう話だったかというと…
図38
こういう状況で、
図39
黒113と打つのは危険でした。
白の壁に単体でぶつかってしまっていて、逃げ道が少ないのですね。
なので、
図40
黒113では、
このように一路、味方の方に寄せた方が安全です。
ここに打つ事で赤丸の陣地を守る事ができています◎
図41
では、白114はどうでしょうか?
この手は白とつながっているので、
取られることはないのですが、
白地が増えていませんね。
また、黒地を減らしているわけでもありません。
図42
そしてもう一点、
黒が△と打ったとしても、
黒地が増えたり、白地が減ったりしません。
つまり、
白が打っても、黒が打っても、
陣地の増減のない場所なのです。
図43
×の場所は、
陣地の増減と関係のない境目ということで、
「ダメ場」です。
図のように、
黒と白が拮抗している場所は「ダメ場」になる事が多いのです。
ということで、
白114では、×の場所に打つのではなく、
図44
こういう、
黒地への道があるところに打った方が良いです◎
次に黒の陣地へ進んで、
黒地を減らそうとしていますね。
図45
黒は115と止めます。
図46
さて、
×の場所はどうでしょうか。
黒と白の両方から道が出ている場所です。
さっきの話ですと、
このような場所は「ダメ場」になりやすいのですが、
図47
今回は黒がAと打つと、
白△がアタリになりますね。
図48
白Bとつなげば取られませんが、
Bの場所が白地ではなくなってしまいました。
図49
つまり、
黒に×に打たれると、白は△を助けるために陣地が一目減るのです。
ですので、
図50
白116は「ダメ場」ではなく、
青丸の陣地を守るための良い手になります◎
陣地の増減と関係するかどうかがポイントなのですね。
さて、
この調子でヨセを打っていきましょう。
次は黒番ですので、
白の陣地へ一歩前進するような手を考えてみましょう。
左下で、たとえば…
図51
黒117◎
白地へ向かって出ていますね。
なので、対する白は
図52
白118と止めます。
続けて、
図53
黒119、白120ですね。
「デ」と「オサエ」です◎
そして、
図54
黒121も良い手です◎
白一子をアタリにしています。
白に122と「ツナギ」を打たせることで、
白の陣地が一目減りました。
図55
黒123も「デ」です◎
一歩ずつ白の陣地へ進もうとしています。
図56
白も124とオサエを打つことで、
陣地を守っています◎
では、
ここで全体を見てみましょう。
黒番で白をアタリできる境目があります。
どこでしょうか?
探してみて下さい。
見つかりましたか?
図57
黒125が正解です。
白△をアタリにしていますね。
図58
白に126とつながせることで、
白地が白石で埋まったのです。
では、今度は一線にいきましょう。
「一線のハネツギ」を打っていきます。
図59
何か所かありますが、
まずは黒127(ハネ)と打ってみます。
この手も、白の陣地へ向かって進んでいますね。
図60
白128の「オサエ」には、
黒129の「ツナギ」です◎
黒127のハネと、黒129のツナギをまとめて、
「ハネツギ」という石の動きでしたね。
そして、
白には断点があります。
図61
放っておいて、
黒△と打たれると、一線の白がアタリになってしまいますね。
こういう断点はキケンなのです。
ということで、
図62
白は130のツナギが必要です。
これで「一線のハネツギ」の攻防は一件落着です。
では
今度は右下で「一線のハネツギ」を打ちます。
図63
黒131~白134です◎
この攻防はよく出てきますね。
さて、
全体を見渡すと、陣地の境界線も残りわずかです。
図64
今度は黒番で、
×の白地を減らすように打ってみましょう。
×の場所が「欠け眼」になるように…
図65
黒135です◎
ここに打つことで、
図66
将来、黒△と詰めて、
白×とつながせるということが約束されるのです。
(白三子がアタリですね。)
つまり、
×の場所は白の陣地ではなくなります。
図67
黒135が、
×の白地をジャマしているのですね。
そして、
白もまだアタリになっているわけではないので、
他の場所へ回って大丈夫です。
黒が△に打ってきたら、
白は×に打てば、白石が取られることはありません。
ということで、
左下はこのままにしておいて、
白は上辺の「一線のハネツギ」を打ちます。
図68
白136~黒139となりますね◎
実は、これで「ヨセ」は終わりです。
陣地の増減のある境目(=ヨセ)は全て打ち終わりました。
白地と黒地の境目はいくつか残っていますが、
それらは全部「ダメ場」です。
図69
×の場所は陣地の境目ですが、
どちらが打っても
自分の陣地が増えたり、
相手の陣地が減ったり、
ということがないのです。(=ダメ場)
ただ、
このままでは整地ができませんから、
最後にダメ場をお互いに打っていきます。(=ダメ詰め)
図70
黒141~白148と、
こんな風に交互にダメを詰めます。
これで、
陣地の境目が完全に終わって終局になるのですが、
最後の白148はおかしいですね。
ここに打ってしまうと…
図71
黒に取られてしまいます。
ダメ詰めはアタリになりやすいので要注意です。
白148では、
図72
このように「ツナギ」を打つ必要があります。
そして、黒が149と最後のダメ場を詰めて、
終局です。
OKでしょうか。
では、
整地をして陣地を数えていきます。
図73
今回はアゲハマがありますね。
まずはこれらを、
お互いに相手の陣地に埋めていきます。
図74
例えばこんな感じで、
図75
アゲハマを埋めてから、
地を整えていきます。
黒地からやってみましょう。
色々なやり方がありますので、
是非実際に石を動かして、整地の練習をしてみて下さい。
図76
整地の一例としては、
黒△を…
図77
こう動かします◎
すると、
右下の黒地が
3×10=30目
となりますね。
図78
今度は上辺をやっていくのですが、
その前に黒×と白×を交換してみましょう。
図79
こうなります。
交換することで、陣地の境目が明確になりますね。
(陣地が増えたり減ったりしないので、石を交換するのはOKなのです。)
そして、
図80
黒△たちを動かします。
どこに持って行くのかというと…
図81
ここです◎
これで、上辺から中央にかけての黒地が
8×10=80目
になりました。
図82
そして最後に、
右上の黒△を
図83
こんな風に移動して、
右上は8目(端数)です。
黒地:30+80+8=118目
ですね。
では、今度は白地を整地していきましょう。
図84
まずは、
この白△を動かしてみます。
うまく移動すると、
2×5=10が二つできますよ。
いきますね。
図85
こんな感じです。
右側に2×5=10目
の白地が二ヵ所できました◎
図86
今度は左辺です。
白△を動かします。
どう動かすのかというと…
図87
例えばこんな感じです◎
左上:5×10=50目
その下:2×5=10目
ですね。
そして最後に左下の白地なのですが、
この陣地は数えてみると14目です。
こういう時は10目と4目に分けてあげると、
相手に伝えやすくなります。
どうやるのかというと…
図88
白△を…
図89
こう動かせば、
2×5=10目
と端数の4目に分かれましたね。
これで整地が完成です。
白の陣地は、
10目+10目+50目+10目+4目=84目
コミ6目半がありますから、
90目半です。
黒地は118目でしたから、
この対局は黒が17目半勝ちです。
棋譜のPDF:
https://s-yosuke.com/19roban-1-3.pdf
お疲れさまでした。
19路盤を丸々一局見終わりましたね。
一通りの流れや打ち方が分かっていただけたかと思います。
次回は戦術的なことも解説していきたいとおもいますので、
楽しみにしていて下さい。
では、読んでくださりありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします!
こんな感じで解説しています。
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