こんにちは!
囲碁インストラクターの佐藤です。
今回は囲碁オンライン講座の中で、「猫の顔」「犬の顔」「馬の顔」についてのご質問をいただきましたので、それぞれについての解説をシェアします!
形を知っているだけでお得な話ですので、是非ゆっくり見ていってください。
「猫の顔」について
まずは猫の顔についてです。
一間トビがもともとある状態から、黒1(もしくは1’)と打つ手が「猫の顔」になります。
目と鼻を碁石で表現した感じで、猫の顔に見えなくもないですね。
さて、
この手は、石の動きとしてはあまり働きがよくありません。
石が三つある割に、あまり先へ進んでいないからです。
また、敵がいないのに「カケツギ」を作ってる状態で、非効率なので普通は打ちません。
しかし、
ある状況下ではこの手が非常に良い手になるのです。
それは…
「猫の顔」の実戦例
例えばこんな状況です。
ここで白が…
白1と打ち込んできたとします。
黒としては「一間トビ」をして守っているところに、白が無理やり入ってきた状況ですね。
こんな時に、
白1の二つの逃げ道を同時にジャマする手として…
黒2の「猫の顔」が良い手なのです◎
白が3と出ようとしてきても、
黒4と止めて、ちょうどカケツギの形になりますね◎
また、
白5と打って、右の白とつながろうとしてきても…
黒6、8と打って、二線の白を取りつつ×の場所をカケツギで守ることができています。
こうなれば、白を丸ごと囲んで取れています◎
黒は大成功ですね。
白1の打ち込みに対して黒2の「猫の顔」が好手であるということと、元の構えの黒〇の一間トビが陣地を守る良い手だということです。
どうでしょうか。
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「犬の顔」について
次に犬の顔を見ていきましょう。
黒1が犬の顔です。
さっきの猫よりも顔が長くなりましたね。
分かりづらいので、実際に犬の顔を並べてみましょう。
うちの犬です。
黒いので並べてみました。
犬の顔に見えてきましたか?
失礼しました。
「犬の顔」の仕組みはケイマとケイマですね。
黒1がどちらかの黒とつながっています◎
効率良く、且つ、手堅くつながっているのが「犬の顔」のよいところなのです。
さて、具体的には…
白が2と分断しようとしてきても…
黒3と打って、×の場所がちょうどカケツギで守れていますね◎
白2で反対側から近づいてきても、同様に黒3です◎
黒はつながっています。
では、
白2ときたらどうでしょうか?
この手が黒にとって一番嫌な手だと思いますが、
黒3のオサエでOKです◎(反対側のオサエでもOK)
ここに打つことによって、
AとBが見合いになります◎
どちらかに打ってつながることができるのですね。
つまり、
白が4と切ってきたら、黒5や黒5’で白一子を取りながらつながりますし、
反対に、
黒3に対して、
白4と逃げてきたら、黒5と打ってつながることができます◎
このようにつながり、黒△は場合によっては切り離されてもOKなのです。(犬の顔に打った、黒1の石がつながっていることが大事)
では、具体的にどのような場面で犬の顔を使うのか?を見ていきましょう。
「犬の顔」の実戦例
このような白の構えがあったとします。
ここに黒番で侵入したいと思うのですが、
黒1のような入り方がGoodです◎(他にも色々な入り方があります。)
この手は、
次に黒△の「スベリ」を狙っているという点で、良い入り方になります◎
では、
白が、黒△のスベリを打たせないように打つとしたら、
白2の鉄柱が良い手です◎
黒はその間に、
黒3が、黒1と同じ理由で良い手になります。
次に黒△のスベリを狙っていますね。
対する白も同じように、白4の鉄柱が最も手堅い守り方になります。
さて、
「犬の顔」の話でしたね。
このような時に使います。
黒5が犬の顔です◎
このように打てば、しっかりとつながりながら中央へ脱出できるのです。
そして、さらに…
今後、黒 A や黒 B に打ってどんどん犬の顔を作ることができます◎
犬の顔は「眼」も作りやすいので、ピンチの時に有効です。
是非意識して使ってみて下さい。
「馬の顔」について
猫、犬、ときまして、最後は「馬」です。
ズバリ
黒1が「馬の顔」です◎
「大ゲイマ」ですね。
この手も、
「犬の顔」と同様に、
どちらかの黒とつながることができます◎
たとえば…
白が2と近づいてきたとしても、
黒3ですね◎
続けて、白が4ときても黒5とおさえて、しっかりつながることができます◎
×の場所がちょうどカケツギになっています。
OKですね。
では、
黒の馬の顔に対して、
白2ときたらどうしますか?
黒はつながろうとすることが大切です。
白の左右の進行を止めるように、
黒3のオサエです◎(反対側のオサエでもOK)
白が4ときても、黒5のオサエですね。
白が続けて白6と切ってくるかもしれませんが…
ここで黒は落ち着いて、
黒7のノビがGoodです◎
これで白二子を取れているのです。
黒△がちょうど「ゲタ」になっていますね。
(白が逃げられないということを確認してみて下さい。)
白を取る事で、馬の顔はつながりました!
黒1が馬の顔で、白2に対しては黒3(もしくは3’)と対応すればつながっているのです。
さて、
もう一つだけ白の抵抗をやりましょう。
白4ときたらどうしますか?
白4は「ハネ出し」という手です。
ハネ出しに対しては…
黒5のキリです◎
「ハネ出しには切り」と覚えてしまっても良いくらい、大事な一手ですね。
さて、
このように切ることによって、黒から狙いが二つ生じました。
それは、どことどこかというと…
黒 A と黒 B です◎
どちらかに打って、どちらかの白を取る事ができますね。
具体的には、
白6と逃げてきたら、黒7で白一子を取りながらつながりますし、
反対に、
白6でこちらの一子を逃げてきたら、黒は7と打って反対側の白一子を「シチョウ」で取る事ができます◎(もとの黒1がつながっていればOKなので、黒△は場合によっては切られても良い。)
このように「馬の顔」はシチョウが関係します。
なので、近くに敵がいる時にはキケンな場合があるのです。
・敵が近くにいたら「犬の顔」
・敵がいなかったら「馬の顔」
というように使い分けましょう。
では最後に、馬の顔を使う場面の一例を見て終わりにしましょう!
「馬の顔」の実戦例
こんな場面で黒番です。
一間トビで中央へ飛んでいる黒から、
黒1と打つ手が良い手で「馬の顔」ですね◎
白とも程よく距離を取っています。
敵と2路離れているので、黒も2路、間をあけて進んで大丈夫というような感覚です。
そして、
対する白は、
白2が良い手になります◎
「ツケ」ながら「犬の顔」ですね。
白2と打つと、
このような接近戦になり、
最終的に、白を強化することができました◎
白2の「犬の顔」のおかげなのです。
どうでしょうか?
「猫」「犬」「馬」とそれぞれ解説してみました。
是非、実戦で試してみて下さい。
関連記事: 【囲碁の中盤で役立つ!】相手が接近してきた時の戦い方
では、どうもありがとうございました!
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