覚えたルールとコツを活かして、囲碁の打ち方を見ていきましょう。
本格的には「19路盤」という大きな碁盤で対局をするのですが、始めたての内は「9路盤」で最後まで打つ事を練習した方が良いです。
ということで、打ち始めの「序盤」から陣地を数えて結果を出す「終局」までを、9路盤で一通り解説しますね。
※碁盤についてはこちらを参考になさってください。 【初心者におすすめの囲碁盤・碁石セット】まずはこのセットで囲碁を学ぼう
実際にどうやって打つのか?
では、さっそく見ていきましょう。
碁盤をお持ちでしたら、是非一緒に並べながら「囲碁ってこういうゲームなのか」ということを見てみて下さい!
①序盤戦の打ち方
隅に陣地を作るのが効率的でしたから
一手目は
こんな感じ
黒から打ち始めます。
「一手目に、隅を打つなら右上から」
というちょっとしたマナーが1つあるだけで
どの地点に打ってもOKです。
もちろん、真ん中にポーンと打ってもいいです。
しかし、
戦略上、隅から打つ方が効率が良いですよという話ですね。
黒1と打つことで
このようなイメージで隅を囲んでいます。
黒が右上の隅を取ったので
白2と
別の隅を取ります。
この白2も
こんなイメージです。
この白2で
黒のジャマをしたい気もしますが
例えば
黒3などと打たれて
白4と逃げようとしても
黒5と囲まれて、最終的に取られてしまいます。
本当に
へ~、と思ってもらえれば十分なのですが
こんな感じで、黒が先着したところに入って行くと
入って行った側が大変な目に合います。
なので
白も2と、新天地を開拓していきます。
では、
次の黒3、白4は…?
残りの隅をお互いに占めていきます。
なんとなくで大丈夫です。
陣地のイメージは
こんな感じ。
打ち方の一例ですので
これだけが正解、
という話ではなく、考え方を体感してください。
黒3、白4と進んだので、次は黒番です。
では、辺に黒地を増やすとしたら
どこに打ちますか?
考えてみて下さいね。
例えば黒5◎
このように打つと
こんな感じで上辺に黒地が増えます。
ですので
次の白も、
辺に増やすならば
白6ですね。
黒5と同じ考えです。
陣地のイメージは
こうです。
OKでしょうか?
この後
例えば黒7◎
この手はどんな感じかというと
黒7は、上の黒石へ道があって
下の黒石へも道があります。
そして、赤〇で囲んだ部分に黒地が増えました◎
さらに全体を見ると
赤線から右側が黒の陣地になりそうです。
同様に
白8◎
このように打つと
青線から左側が白地になりそうです。
どうでしょうか。
何となくわかってきましたか?
このように、
囲碁は案外「イメージ」で打つことができます。
②中盤戦の打ち方
ここから少し長いですが「終局」の状態まで持っていきますので
もし実際に9路盤をお持ちでしたら、ぜひ一緒に並べながら見てみて下さい。
今の局面はこの状態。
右が黒地で、左が白地ですね。
そして、黒の番です。
もちろんここからどこに打っても、ルール上問題ないのですが
やはり勝ち負けのあるゲームですから、
勝ちに向かって進むための良い考え方、
良い打ち方というものがあります。
今回、下辺に注目してみましょう。
「黒のエリアを広げて、白のエリアを狭める」
というように考えて…
次の黒は…
黒9◎
こんな感じです。
また、ふーんって思ってください。
イメージはこうです。
黒9と打つ事で
赤丸のエリアが新しく黒地になり、
左の、青丸エリアの白地に向かって進もうとしています。
黒地を増やしながら、白地を減らそうとしているのですね。
この状態から、さらに
黒△と打って進めると
赤丸のところに黒地ができ、
青丸の白地を小さくすることができます。
進んでいるイメージが沸いてきましたか?
ですから、白もどんどん進んでこられないように
白10◎
黒の道を止めて、白の陣地を守ります。
では、今度は上辺に注目です。
黒番で、
上辺の黒地を増やして、白地を小さくするには…?
黒11です。
黒9と同じような石の進み方ですね。
この手のイメージも
赤丸の黒地を増やしながら
左側の白地へ進んで、白地を減らそうとしています。
白もこれ以上入ってこられると嫌ですから
白12◎
黒の進行方向を止めます。
このように、
「黒地と白地の境目」
を打っていくのがコツになります。
(自分の陣地の中に自分の石を打つと”損”になるんですね。
石を置いた場所は陣地ではないので、陣地が減ります。
また、相手のエリアの中に入って行くと、囲まれて取られてしまいます。
⇨陣地の境目に打つのがGood、なのです。)
では、残りの境目を探してみましょう!
黒地と白地を意識していただいて
今後打っていくのは、そのどちらでもないエリアです。
想像してくださいね。
塗ります。
このグリーンのエリアが境目です。
この中から打つ場所を選んでいきます。
ですので、次の黒は例えば
こんな感じ。
それで白14も
こんな風に境を決めていきます。
そして、白14のメリット、と言いますか、
意味を解説しますと
青丸の場所を白地として増やしながら
次に矢印の方向へ、黒地へ向かって進もうとしています。
白地を増やしながら、黒地を減らそうとしているのですね。
だから、次の黒は
止めます。黒15と白の進む道を止めることで
赤丸の黒地を守ることができました◎
この黒15を打たずにいて、白に進まれると
白1(黒15の場所ですね)
黒2とここで止めることになるのですが
ひとつ前の図の、赤丸の場所は
「黒地」ではなく、「黒石(黒2)」になってしまいましたね。
石は陣地にカウントしませんから、
黒地が減ったということになるのです。
つまり、黒15は良い手ですね。
次、いきます。
黒15と止めた後、白番ですね。
少し視点をずらして
白16と打ってみました。
この手は矢印の方向へ進もうとしています。
黒地を減らそうとしているのですね。
ですから、減らされたくない黒は
黒17と白の道をストップします。
そして、
白石が
アタリですね?
「アタリ」覚えていますか。
次に石を取れる状況のことです。
どの白石がアタリかというと
白〇です。
ついさっき打った白16の石です。
黒が17と止めたことで、次に取れる状態「アタリ」になったのです。
黒△に打たれると、
このようになります。
囲まれた白石は、碁盤の上からいなくなり
黒のプレーヤーの「アゲハマ」というものになります。
碁石を入れている器(碁笥)のふたに入れて保管しておくのですが、
この「アゲハマ」、陣地を数えるときに使います。
どう使うと思いますか?
黒としては、
盤上の白石がいなくなるだけでも有利になるのですが
さらに、
陣地を数えるときに
取った石「アゲハマ」を相手の陣地に埋めることができます。
良さが伝わりづらいかもしれませんが
相手の陣地に、相手の石を埋めるのです。
…得ですよね?
石は、陣地として数えないのですから、
「アゲハマ」を相手の地に埋めると、相手の陣地が減ります◎
ですから、逆に考えると、
石を取られないようにしたいですね。
黒17に対して
取られないために、白18とつなぎます。
取られる前にその場所に置いてしまえば、
黒は置けなくなりますから、取られずに済みます◎
また、白18と打つことで
白石は4つのかたまりになって、道が増えましたね。
白△は線でつながっているので、ひとかたまりです。
そうすると矢印のように、4つも道が出ていることになり
囲まれて取られる、という状況にはなりづらくなります。
これで、
碁盤の上半分の境目は決着がつきました。
③終盤戦の打ち方
残りの境目を打ってみます。
黒19◎
打った石から道が出ている、
というのはポイントですね。
黒19は次に白地へ進もうとしています◎
白は、黒が来ないように白20です。
そして黒21と境目を打っていきます。
あと少しです。
残りの境目はどこらへんでしょう?
いきます。
この二か所です。
白番でしたね。
どちらの境目を打っても良いのですが
今回は、
白番で黒をアタリしてみましょう!
上の図の境目のどちらかに打つと
黒石がアタリになります。
どっちでしょうか?
考えましたか?
白石を頭の中で想像することが大切です。
これが「読み」というやつですね。
答えいきます。
白22◎
ここに打つと、黒△がアタリになります。
黒△は道があと一つしかありませんね?
ですから黒は
黒23とつなぎます◎
そして、白24と最後の境界線です。
黒25と白の進行方向を止めて
そして、同時に
白△がアタリです!
ご確認ください。アタリですね。
ですから白26は
取られないようにつないで、
ついに「終局」です◎
黒地と白地の境目が埋まり
全ての交点がどちらかの陣地になりました。
この図は、
前回のテーマで陣地を数えてもらった図と同じです。
もう一度、黒地と白地を数えてみましょう。
黒地は…
29目。
白地は…
26目。
です。
黒3目勝ち。
それで、最後の確認です。
「斜め」の場所についてです。
実は、囲碁はこの「斜め」がむずかしいのです。
このおもしろさについては、またじっくりお伝えしますね。
一言でいうと、「斜めには道はない」のです。
ですから、
黒が赤矢印のように斜めには進めません。(矢印がへんてこですみません。)
白も青矢印のように斜めには進めません。
進むと進んだ石が孤立して取られてしまいます。
味方とつながっていないのですね。
ということは
陣地を作る時に
基本的には
黒は〇の場所を黒石で埋めなくて良いですし、
白も△の場所を白石で埋めなくてOKです。
この、印をつけた場所も各々の陣地になるのです。
(…斜めを守る必要がある場合があるので、そこがなかなかむずかしくて、面白いのです。)
この辺の細かいことは、また少しずつやってきます。
一気に終局までやってしまったので長くなりましたが、
陣地のイメージと、
アタリになる感じ
を何となく感じ取ってもらえれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
次は、「着手禁止点」のルールの確認から「死活」という単元に進んでいきましょう。
【囲碁入門⑥】着手禁止点とは?囲まれているところには打てない!
※囲碁入門ではどんなことを学ぶのか?という今後の全体像については下のまとめ記事をご参考ください。