今回は、囲碁の6子局の打ち方について解説していきます。
7子局の場合でも同様の考え方で打ち進められますので、置き碁の際にどうぞご活用ください!
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6子局(ろくしきょく)とは
6子局とは、囲碁のハンディキャップの一つで、このようにあらかじめ6子(ろくし)を置いた状態から始める対局のことです。
7子局だとこのようになります。
碁盤の中央である「天元」に置き石が増えて、このような状況から対局が始まります。
関連記事: 【囲碁のハンデのつけ方】~置碁(置き碁)について~
黒としては、最初から味方が多い状況で始まりますので、とても有利なわけですね。
そして、置き碁の際には白番から打ち始めます。
6子局の心構え
今回は黒番だった場合での心構えについてお話いたします。
6子局というのは置き碁の中でもハンディキャップは多い方で、四隅だけでなく、左右の辺の勢力も先にもらえている状況です。
反対に、あいている場所は上辺と下辺ですね。
なので、6子局の際の黒番での心持ちとしては「上辺と下辺で、辺の打ち方を練習する」くらいの気持ちで対局に臨まれると良いかと思います。
勝ち負けにフォーカスしても良いのですが、6子や7子も上の方が、「辺をどのように占めてどのように打ってくるのか?」ということをよく見て、学んでいこうという考えで打つのも非常に勉強になりますよ。
ということで、6子局と7子局の特徴は「上辺と下辺が空いている」ということであり、「辺の打ち方の勉強だ」という気持ちで打つと、その場の勝ち負けとは無関係に次の対局につながっていくかと思います。
是非、意識して対局に臨んでみて下さい。
6子局の打ち方
では、具体的にどのように打っていくと良いのか?ということを例を挙げて解説していきます。
必ずしもこのような展開になるとは限りませんが、是非、碁盤に手順を並べて考え方を学んでいって下さい。
6子局の具体例①
よくある序盤の展開としては、
白1のカカリから、白3のカカリですね。
白としても、6子分のハンデを埋めるために頑張って広めに構える必要があるのです。
そして、白3の意図は…
黒4と受けてもらって、白5の山型の構えを作ろうとしています。
黒としても、白に上辺をあげて、
黒6などと下辺に回る展開も十分に考えられます。
例②で上辺の白5の構えをジャマする展開をご紹介しますが、今回の例①では、この展開で少し続きを見ていってみましょう。
対する白としては、下辺方面の黒模様に入っていくしかありません。
例えば、
白7の「カカリ」です。
互先でもよくありそうな状況ですね。
黒はどう対応しますか?
色々な打ち方が考えられるところです。
もしも、白地を極力作らせたくないな、と思った場合には…
黒8のコスミツケが良い手です◎
この手は「白に陣地を作らせないぞ」という厳しい手なのです。
黒が多いところなので、強気で打っているのですね。
コスミツケの後の流れとしては、一例ですが、こんな感じです。
黒14まで、白地を非常に小さく制限できました。
味方の多いところに白が入ってきた場合には、白地を作らせないという意味で「コスミツケ」がとても有効な手段で、互先の時にも使えますので、是非打ってみて下さい。
白地は現在これしかない状況ですので、
白15~21などと逃げていく必要があります。
黒としては、その間に黒地を作っていけるのですね。
こんな風に黒地ができてきていて、6子局のハンデをうまく活かし、優勢を保てている展開です。
これが一つの展開であり、
白7のカカリに対して、黒8のコスミツケは有効な手段なのですね◎
もう一つの打ち方としては、
白7に対して、黒8のボウシもありです。
この手の意図としては、
こんなイメージで黒石全体をつなげています。
黒石をつなげているので、比較的安全な打ち方と言えますね。
その代わり、白も比較的簡単に陣地を作れてしまうのですが、黒は黒14などに先着ができて十分に優勢です◎
黒14のシマリは意外に大事な一手で、この手を打たずにいて白に14の場所に打たれると、右下の攻防と同じように黒模様を荒らされてしまいます。
相手に「カカリ」を打たせないための「シマリ」はとても良い手なのですね。
ということで、
白5の山型を白に作らせ、黒6に先着する打ち方はとてもシンプル且つ有力で、その後の白7のカカリに対する応手としては、
・黒 A のコスミツケで白に陣地を作らせない作戦
・黒 B のボウシで味方全体をつなげて、左下隅のシマリに回る作戦
この二つがおすすめです。
是非、碁盤に並べて確かめてみて下さいね。
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6子局の具体例②
今度は、「上辺を白に譲らない」という打ち方を見ていきましょう。
白3と来た時が序盤の分岐点ですね。
白3は左上の黒にカカリをしながら、次に白 A の山型のヒラキを狙っています。
なので、ここで、
黒が白の上辺の構えをジャマしたい場合は、
黒4が良い手になります◎
「白の打ちたいところに先着する」というのは置き碁に限らず、互先でも活用できる考え方ですね。
さて、
対する白は十中八九…
白5などと両ガカリしてくると思います。
白は6子局分のハンデを埋めるために、頑張って黒を攻める必要があるのです。
黒としては、この白5への対策があれば、安心して黒4を打てるようになります。
ということで、おすすめの打ち方をご紹介します!
それは…
黒6、8です◎
黒6のコスミで切られないように脱出をし、黒8のカケで全体の黒石をつなげます。
隅は白の陣地になりますが、黒は中央へ向けての厚みができて、全体がつながって安心ですね。
この打ち方に関しては、【囲碁4子局・5子局】置碁の白番の打ち方と黒番での対策、という記事で詳しくご紹介していますので、参考になさって下さい。
関連記事: 【囲碁4子局・5子局】置碁の白番の打ち方と黒番での対策
この後の展開としては、白15~黒18のようになりそうですね。
そして、
白19とカカリで侵入してきたら、この後の展開は、
・黒 A のコスミツケで白に陣地を作らせない作戦
・黒 B のボウシで味方全体をつなげて、左下隅のシマリに回る作戦
これらがおすすめの打ち方でしたね。
是非、これまでの図を参考にしながら、後の打ち方を碁盤に並べてみて下さい!
そして、このように戦うことができれば6子局のハンデがあるということもあり、黒が大いに優勢です◎
戦いの練習にもなりますので、黒4で白の山型をジャマする打ち方も実戦で試してみて下さいね。
まとめ
- 6子局の時の心構えとしては、「辺の戦いの練習」という気持ちで打つ
- 白に辺の山型を作らせて、大場へ先着する展開はシンプル
- 白の辺の山型をジャマする展開は戦いの練習になる
どうでしょうか。
6子局、7子局の際の打ち方、心構えの参考にしていただければ幸いです。
では、最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました!