こんにちは。
囲碁インストラクターの佐藤です。
今回は「三連星の布石」について解説します。三連星は昔からある良い布陣で、6子局などの置き碁の際にも使える序盤の作戦です。
本記事では白番での「三連星対策」も解説しておりますので、是非ゆっくりご覧ください。
関連記事: 【囲碁の6子局】黒番での打ち方と心構えを解説!
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三連星ってどんな布石?
三連星とは
まずは三連星とはどんな布石なのかを見ていきましょう。
三連星は読んで字のごとく、黒1、3、5と星を三つ連ねた布石です。
イメージとしてはこんな風に、右辺を大きな勢力にしながら、中央へ向かって発展していく布石です。
もしも、白がすぐに侵入してきたらどうなるか?
白が6と、すぐに三連星の構えの中に入ってきたら黒はどう打てば良いのか?を考えてみましょう。
まず、
白6は良い手でしょうか?悪い手でしょうか?
白6は、黒の三連星の模様を荒らす手ですが、あまり良い手ではありません。
なぜかというと、白6は狭いところに侵入していて、白地があまりできないからです。
上の図の青丸くらいのスペースしか、白地が見込めません。
黒の立場で考えると、白を攻めるチャンスということになりますね。
具体的には黒7の「コスミツケ」が良い手です。
白が8と対応している間に黒9と打って…
このあと白は、大きな陣地を作る事ができません。
右辺にはすでに黒が待ち構えているので、白10のような小さなヒラキしか打てないのです。
そして、さらに追い打ちをかけるように黒11が良い手です。
白12と対応している間に、黒13と打って…
白地がこれしかできませんね。
白は陣地が狭く、まだ生きていないので白14と脱出する必要があります。
その隙に黒は15などとヒラキを打って、黒がとても有利です。
勢力図はこんな感じですので、黒が良い状況ですよね。
ということですので、白は6といきなり侵入するのは良くありません。
黒の立場で考えると、白が入ってきたら攻めますよ、ということになります。
三連星とはそのような布石なのです。
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白の三連星対策
では、白はどのように打ったら良いのでしょうか?
対策を考えてみましょう。
黒1、3、5の三連星に対して、白6では…
広い方からカカリ
このように広い方からカカリを打つのが良いです。
黒が7と受けたら白8などとヒラキを打って、白地をしっかり作ります。
黒の三連星も大きいですが、上辺の白も大きくなりますね。
さて、次は黒の番です。
白が上辺を占めたので、対する黒は…
下辺へ向かいます。
黒9、11などと広げて、三連星からの黒模様が大きくなりました。
イメージ的には、このように星から両方の辺に大きく模様を広げています。
これが三連星の目的であり、両側に広げる構えの事を「両翼」と言います。
この「両翼」の構えから、さらに黒△などの守りを打つことができれば、右下の隅が確定地となり、効率の良い大きな陣地ができてきます。
黒△のような手を「芯を入れる」と表現します。
こうなってしまうと、
白は黒の勢力の中に入っていきづらいですね。
なので…
黒が9、11と下辺を占めて「両翼」の構えを作ったときに、
白は…
両翼に三々
三々に入ります。
今が三々に入るタイミングで、「両翼に三々」と言われるくらい良いタイミングなのです。
相手が両翼の構えを作ってきていたら三々に入りましょう。
さて、この白12の三々は安全です。
白12から進む道が二つあります。
どちらかに必ず打つことができますね。
黒が右辺が欲しいと思って黒13とおさえてきたら…
白は14と反対側へ進みます。
そしてこのあとは、
こんな戦いになります。
「両翼に三々入り」をした結果は、白が隅の陣地を取り、黒はおさえた側に模様を作りました。
隅は白地になった分、中央が黒模様になってきましたね。
これで互角の進行なのです。
では、次は白番です。
ここでおすすめの打ち方があります。
両翼に三々の後に天元
白24がオススメの一手で、「天元」です。
中央の黒模様をジャマしつつ、上辺の白模様を拡大しているイメージですね。
こんな感じです。
白24から黒模様に対して、二つの進む道を見つつ、上辺が大きくなってきています。
このように、「両翼に三々入り」をした後は、「天元」に打って相手の模様をジャマしましょう。
この白24を打たずにいると…
例えば白24と辺へ向かうと(この手も良い手なのですが)、黒25と天元を占められて黒模様がさらに大きくなってしまいます。
互角ではあるのですが、このあとの白の打ち方が難しくなってきます。
ということで、白24では天元がオススメです。
特にこのあと、黒が25などと黒模様の守りにこだわってくれたら最高です。
白が非常に有利になります。
続きを見てみましょう。
このように、白26~白30と黒模様の発展をおさえたうえで、白32などと打って、白模様に芯を入れます。
これで、黒模様よりも白模様の方が大きいですよね。
右下の隅も白地ですので、この展開は白がとても有利です。
なので黒も、白24に対しては25や25’などと白模様をジャマすべく入っていきます。
このように打って、互角の展開です。
最後に、改めて白24までの手順と、その後の展開の一例を載せておきます。
碁盤に手順を並べて参考にしていただければ幸いです。
お読みくださりどうもありがとうございました!
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