【囲碁の打ち込み】実戦で役立つ！相手の陣地を荒らす手筋

こんにちは。囲碁インストラクターの佐藤です。

今回は「打ち込み」について解説します。

打ち込みというのは「相手の陣地の中に陣地を作る手法」で、本記事では特に、相手の大々ゲイマビラキの中に入っていって自分の陣地を作る方法をご紹介いたします。

実戦で非常に良く出てくる形ですので、参考にしていただければ幸いです！

相手の陣地を荒らす「打ち込み」

「打ち込み」とは？

「打ち込み」とは、相手の陣地になりそうな場所に単体で入っていく手のことです。

敵が多いところへ侵入していくので、「打ち込み」をした後はその石が囲まれて取られないように打つことが大切です。

打ち込みがうまくいくと、相手の陣地を減らすことができたり、相手の陣地の中に自分の陣地を作ることができて、勝負を有利に進めることができます。

では、具体的に見ていきましょう。

どういうときに「打ち込み」ができるのか？

今回は代表的な形を一つご紹介します。

このように、白が辺を「大々ゲイマ」で構えていて、黒も△で隅を守っていたとします。

状況としてはこんな感じです。実戦でよくありそうな形ですね。

この時に黒番で、白地の中に入って行くことができるのです。

どこに打つのかというと…

大々ゲイマビラキへの打ち込みの具体例

黒１が白の「大々ゲイマ」に侵入する「打ち込み」です。

三間あいているところの「三線の真ん中」に入り込むのがポイントです。

そして今後、黒△も重要な役割を果たしますので楽しみにしていてください。

さて、

この黒１はなぜこの場所が良いのかというと、この図の矢印のように逃げ道があるからです。

黒１からは三つも逃げ道があるのです。

例えば白が、

白２と、黒△への道を断ってきたら…

黒は３と中央へ脱出することができます。

そして、この状況は黒が非常に有利で、脱出して白地を荒らしただけではなく…

むしろ、白を囲んで攻めているような状態です。

こうなれば、黒の打ち込みは大成功です。

なので、黒１に対する白の手も重要で、

白も左右の白がバラバラにならないように、白２と打ちます。

白石が一間トビとケイマになっていますね。

では、今度は黒の番です。

中央への道をジャマされたので、黒の逃げ道は右と左になります。

黒はどちらに進んでも大丈夫なのですが、「味方の方へ進む」という考えで打つと…

黒３です。黒△へ向かって、一歩ずつ進んでいきます。

白と黒がくっついたので、このように一歩ずつ進むこともポイントですね。

そして、このように２つの逃げ道を見ます。

黒はどちらかに進むことができます。

白が４と隅の黒への道をジャマしてきたら、

黒５と打って、「脱出」＆「白を分断」です。

この状況は、反対に白を囲んでいて、黒が非常に有利です。

なので白も、黒３に対しては４と、白石をつなげるように打つ事になります。

そして黒はこのあと、黒△と連絡するように…

黒５です。

これで、打ち込んだ石が、隅の黒とつながりました。黒△がいてよかったですね。

白６ときても黒７と、連絡するように対応して、黒は無事です。

打ち込みが成功しました。白地を荒らすことができたのですね。

そして、さらにこのあと黒△の「スベリ」が狙いです。

矢印方向に進んで白地をどんどん減らそうとしています。

それは白もいやなので、

白８と止めて、ここまでで一件落着です。

この一連の流れは「打ち込みの定石」と言っても良さそうな進行です。

まとめ

黒１が「打ち込み」です。白の大々ゲイマビラキの中に侵入しているので「大々ゲイマビラキへの打ち込み」ということになります。

黒△のような味方がいると、打ち込みをしたあとを有利に戦うことができます。

相手の石と石の間が三つ以上あいていて、近くに味方がいるようでしたら是非「打ち込み」を打ってみて下さい。

また、入るポイントは「三線の真ん中」でしたね。

入ったあとの逃げ道を確認しながら打ち込むと、安心して相手の陣地を荒らすことができます。

白が２、４と中央への脱出を阻止してきても、黒５、７と隅へ連絡することができます。

白８までが「大々ゲイマビラキへの打ち込み」の定石の一つとなります。

いかがでしたか？

実戦でとてもよくできる形ですので、是非試してみて下さい。
では、どうもありがとうございました！