「棋風(きふう)」とは、対局する人がそれぞれ持っている「独特の打ち方や傾向」のことです。
一人ひとり違う感性を持っていて、それが盤上に表れるというところが非常におもしろいところです。
囲碁の感覚を表す興味深い指標ですので、どうぞゆっくり見ていってください。
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棋風とは
棋風は、「こうだから、この棋風」と決まっているわけではなく、あくまで打ち手のイメージや印象を表したものです。
棋風の種類としては、大きく分けると2種類しかなく
①実利派
②模様派
の二つで、布石や序盤の段階で顕著に表れます。それぞれ解説していきますね。
実利派の棋風
①の実利派は「確定地」を好む傾向があり、「手堅い」「地に辛い」とも言われます。
確実な陣地を稼いでから相手の模様の中に入っていくことから「シノギの碁」と言われたり、確実な陣地を稼いで「ヨセ」をうまく打つことで細かく勝つパターンもあり、それは「ヨセの碁」や「地の碁」などと言われたりします。
また、「〇〇の碁」と表現するのは、打ち手の棋風を指す場合もあるのですが、その一局の性質を言っている場合もあります。
「この碁は、武宮先生には珍しく地の碁ですね。」
などと表現します。
模様派の棋風
②の模様派は「中央に大きな模様」を作ろうとする傾向があります。
①とは対極で、不確定だけど大きな模様を好みます。
少しイメージがずれるのですが「厚み派」「厚みの碁」「手厚い碁」などとも言われます。
自分の弱い石はあまり作らないことが多いです。
反対に、相手の弱い石を見つけて攻めることから「攻めの碁」と言われることもあります。
「棋風」が局面にどのように出てくるのか?
「棋風」がどんな風に表現されるのかを、具体的にいくつか例を見てみましょう。
例えば、
黒1、3の二連星を黒が打ったとします。
ここから、何となく黒の方の棋風は「模様派」なのかな、という印象です。
中央にも出つつあまり弱い石を作らない「手厚い碁」を打つ方が、二連星を好むことが多いです。
反対に、
白4と小目を打った場合は、確定地を取りやすいことから「実利派」で「地に辛い」棋風なのかな、と推測します。
特に、白2’などと両方を小目に打った場合はその印象は顕著です。
地に辛く打って、あとで模様の中に入ってくる「力戦型」かもなあ、などと思うわけです。
図の白2、4のように片方を星にしていると、バランスを取ろうとしているイメージですね。
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さて、白4のあと、
黒が小目にかかるとします。
黒5の一間高ガカリ(四線)は「模様派」のイメージで、黒5’の小ゲイマガカリ(三線)は「実利派」のイメージです。
この話はあくまで印象の話なので、打っている方がどう思っているのかは加味されていません。
さて、
黒5と一間高ガカリをしたとして、
白が6と打ってきたら、この手は「実利派」が好きそうな手です。
隅の確定地をまず取っておこう、という意図があるからです。
反対に、
白6と四線に上げながら受けた場合は「模様派」「厚みの碁」のイメージです。
また、
白6と三線で受けてきたら、「手堅い」「地に辛い」「実利派」のイメージです。
このあとはこんな展開が予想されます。
次は白番ですが、白の方が手堅い棋風の場合、
こんな感じで打ちそうです。
シマリは手堅いのです。
対する黒も手堅く打つのであれば、
シマリを打ちます。
反対に「模様派」の方は、
三連星に打ちそうですね。
どうでしょうか。
棋風はイメージと傾向の話なのでなかなかお伝えしづらいのですが、こんな感じです。
まとめ
囲碁の棋風についてをまとめますと、棋風は、
- 実利派
- 模様派
の二種類で、色々な表現の仕方があるということと、
実利派は「確定地(三線)」を好み、模様派は「大きな模様(四線)」を好む、ということですね。
「自分はどちらだろうか?」と考えるのもおもしろいですし、
「今日は実利派(あるいは模様派)になって打ってみよう!」
などと意識して打つのも新たな発見がありそうですね。
参考になりましたら幸いです。
では、読んでくださりありがとうございました!
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