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【藤沢秀行名誉棋聖】強烈な努力という言葉を残した囲碁棋士

強烈な努力

今回は、藤沢秀行さんという囲碁棋士をご紹介します。

秀行塾」という研究会(教室)で若手囲碁棋士の育成に力を注ぎ、亡くなる直前に書かれた「強烈な努力」という書が有名です。

藤沢先生についての動画を拝見して感銘を受けまして、僭越ではありますが以下で紹介させていただきます。

称号とお名前

藤沢先生は昭和を代表する囲碁棋士で「名誉棋聖(めいよきせい)」の称号をお持ちです。

※棋聖というタイトルを5連覇以上すると名誉棋聖という称号が与えられます。藤沢先生は1977年~1982年の6期で棋聖を保持しました。

しゅうこうさん」と呼ばれて親しまれた先生でしたが、正しい読み方は「ひでゆき」で、さらに本名は「藤沢保(たもつ)」だったようです。

「秀」という文字は、江戸時代に栄えた本因坊家(ほんいんぼうけ)で代々名前に使われてきた文字で、本因坊秀策、本因坊秀甫、本因坊秀栄などと使われてきました。

藤沢先生もそこから秀の字を取ったのかなと予想されます。

※囲碁の歴史について: 囲碁とは 【囲碁とは?】歴史・タイトル・別名・ルールなどを入門・初心者の方へ解説

若手棋士育成の秀行塾

ご本人の碁の鍛錬もさることながら、藤沢先生は若手囲碁棋士の育成にも尽力されていました。

秀行塾(しゅうこうじゅく)と呼ばれる研究会が有名で、多くの囲碁棋士がそこで修行を積んだそうです。

研究会という名目ではありましたが、秀行塾という名の通り秀行先生に教えてもらう「教室」や「塾」のようなイメージの会だったようです。

その様子が分かる動画がYouTubeにアップされていましたので貼っておきますね。(△の再生ボタンをクリックすると動画が始まります。)

※この動画は本記事を書くきっかけとなった動画です。

大変厳しい指導だったようですが、村川大介先生のお話にもあるように叱られることは苦にならなかったようです。

動画の後半に出てくる高尾紳路先生や武宮正樹先生の多くのコメントも大変興味深く拝聴しました。

特に、右手の人差し指が小指よりも短かったのではないかという高尾先生のコメントにびっくり致しました。(碁石を碁盤にたくさん打つと、人差し指が短くなるらしいのです!)

それだけ努力をしてきたということですね。

強烈な努力

亡くなる直前に書かれた「強烈な努力」という書がまさに強烈で、上の動画内のお話でもあるように点滴で腕が腫れた状態で書かれたそうです。

強烈な努力

藤沢先生の生き様や功績は多くの人の心を動かし、東京都台東区入谷にある小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)に記念碑も建てられました。

そこには「強烈な努力」が刻まれています。

小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)記念碑の強烈な努力

書籍「人生、意気に感ず」

藤沢秀行先生は1998年に棋士を引退されました。

そして、その年に「人生、意気に感ず」という本を書かれています。

僕はこの本を高校生の時に読みました。随分前なので細かな所はあまり覚えていないのですが、藤沢先生は碁だけでなく私生活も大変壮絶であったということが印象に残っています。

元々、棋譜並べという勉強をする際に藤沢先生の碁も良く並べていたので、併せて「人生、意気に感ず」は楽しく拝読した記憶があります。

また、僕が高校1年生の頃に通っていた碁会所に藤沢先生のお孫さんたちが碁を習いに来ていて接点があったこともあり、何となく書籍を手に取ってみたのだと思います。懐かしいです。

関連記事: 【囲碁の棋譜並べ上達法】初心者さんに効果的な勉強方法!おすすめの棋譜をプレゼント中

主要な戦歴

以下は、日本棋院のホームページからの引用で、藤沢秀行先生の主な棋戦履歴です。

棋戦主要履歴

昭和23年(1948年)
第1期青年棋士選手権優勝

昭和32年(1957年)
第1期首相杯争奪戦優勝

昭和34年(1959年)
第1期日本棋院第一位決定戦優勝

昭和35年(1960年)
第5期最高位獲得

昭和37年(1962年)
旧名人戦名人位決定リーグで優勝
☆第1期名人就位

昭和40年(1965年)
第2期プロ十傑戦優勝

昭和41年(1966年)
第10期囲碁選手権戦優勝

昭和42年(1967年)
第15期王座戦で橋本昌二九段を2-0で破り優勝

昭和43年(1968年)
第16期王座戦で坂田栄男九段を2-0で破り防衛
第5期プロ十傑戦優勝

昭和44年(1969年)
第17期王座戦で大竹英雄八段を2-0で破り防衛で3連覇
第16期NHK杯優勝
第1期早碁選手権優勝

昭和45年(1970年)
第9期旧名人戦で林海峯名人を4-2で破りタイトル奪取

昭和51年(1976年)
第1期天元戦決勝五番勝負で大平修三九段を3-1で破り第1期天元就位

昭和52年(1977年)
第1期棋聖戦決勝七番勝負で橋本宇太郎九段を4-1で降し第1期棋聖就位
★第1期・第1回の棋戦で6棋戦優勝

昭和53年(1978年)
第2期棋聖戦挑戦手合七番勝負で加藤正夫本因坊の挑戦を4-3で退けタイトル防衛

昭和54年(1979年)
第3期棋聖戦挑戦手合七番勝負で石田芳夫王座を4-1で破り3連覇

昭和55年(1980年)
第4期棋聖戦挑戦手合七番勝負で林海峯九段を4-1で退け4連覇

昭和56年(1981年)
第5期棋聖戦で大竹英雄十段を4-0で退け5連覇達成
☆名誉棋聖の資格を得る
第28期NHK杯優勝

昭和57年(1982年)
第6期棋聖戦で林海峯九段を4-3で退け棋聖6連覇

平成3年(1991年)
第39期王座戦で羽根泰正王座を3-1で破る
☆七大タイトルの史上最高齢獲得記録(当時66歳)

平成4年(1992年)
第40期王座戦で小林光一棋聖を3-2で退けタイトル防衛
☆七大タイトル史上最高齢獲得記録更新(当時67歳)

通算1509局 852勝649敗8持碁

http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000005.htm /藤沢秀行 /棋士/囲碁の日本棋院

長きに渡って活躍されていたことが良く分かります。

これほどの活躍に加えて若手棋士の育成にも力を注いでいましたからすごいですね。

まとめ

最後に、本記事のまとめです。

功績などは枚挙にいとまがありませんので、この場では以下の3点をまとめとさせていただきました。

藤沢秀行さんについて
  •  昭和を代表する囲碁棋士で「名誉棋聖」の称号を持っている
  •  「秀行塾」という研究会で若手棋士の育成に力を注いだ
  •  「強烈な努力」という言葉を残し、記念碑にも刻まれている

この記事があなたの参考になりましたら幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

※囲碁のルールを学びたい方はこちらの記事をどうぞ。

【囲碁入門①】難しいルールを簡単に解説!初心者向けに4つのルールをまとめた

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では、どうもありがとうございました!